ドキュメンタリー映画「こつなぎー山を巡る百年物語」 50年前の日本で森の入会権を主張し闘った人々

 昭和35年、岩手県北部の小繋(こつなぎ)地域で山の入会権をめぐり事件が起きた。
 それを3人のジャーナリストが取材。
 残された貴重な記録資料に現在の様子を加え、7年の歳月を経て1本の映画『こつなぎ』が出来上がった。

 入会権とは、一定地域の住民が、慣習的な権利により特定の山林・原野・漁場の薪材・緑肥・魚貝などの採集を目的に使用すること(参考…三省堂大辞林・Yahoo百科事典)。
 農地の少ない小繋の集落住民にとり、小繋山で得る自然の恵みは生活に不可欠だった。

 しかし人々は山に入ることを禁止される。
 糧を絶たれた住民は入会権を主張し裁判で闘う。

 地域の自然と共に暮らす人々を記録したこの映画は、私たちに「山は誰のものか」「大地や森は誰のものか」「生きるとは」と問いかける。 

 2009年のノーベル経済学賞は、森林や漁業資源など共有財産の運用に関する研究を行ったオストロム教授(米国)に授与された。
 小繋の人々の主張したことが正しく評価される時代がようやく訪れたのだ。

上映会&シンポジウム

 日時:2010年3月13日(土)
 11:00/14:00/17:00の3回上映 
 会場:全電通ホール(東京・お茶の水)
 シンポジウムの同日開催も予定しています(司会:辻信一氏)
 料金:特別鑑賞券一般1,500円(税込)絶賛発売中/当日一般1,800円
    シンポジウムのみ参加800円(当日会場受付のみ)

【鑑賞券取扱および購入、イベント問合せ先】
 「こつなぎ」上映実行委員会事務局 
  〒104-0041中央区新富2-12-6パンドラ内 TEL:03-3555-3987
   kotsunagi1@yahoo.co.jp

意欲的市民活動への資金援助を決定 一般社団法人アクティオ助成選考会

 2009年12月13日午前9時より、東京都お茶の水のスター研修センターにおいて、一般社団法人アクティオの2009年度助成選考会が開催された。

 冒頭、代表理事を務める水澤努さんが挨拶。

 「それぞれの地域で環境や平和の問題に取り組んでいるみなさんの活動に、総額100万円に上る援助を行います。今日は申請した方にプレゼンテーションを行ってもらい、みなさんの投票によって助成の可否を決めます。活動の社会的な意義や費用対効果などを総合的に判断して選択してください」

 続いてくじ引きによりプレゼンの順番を決定。
 COP10イベント、ナラの森づくり、BDF発電、ミミズコンポスト、川越ダイオキシン調査、フィリピン学校支援、越谷ダイオキシン調査、六ヶ所村ラプソディー東日本市民サミット企画、水源林保全の順で9つのプレゼンが行われた。

 各プレゼンには7分、質疑応答を含めて最大15分が割り当てられ、それぞれプロジェクターや配布資料などを駆使して助成の必要性や意義をアピール。
 質疑応答も活発に行われ、会場の雰囲気は盛り上がる。

 昼食をはさんで午後には第1回投票が行われた。
 それぞれの候補に○×を記して投票する方式で、過半数の支持を得られない場合には選考対象から外れる。
 9つの候補すべてがこの第1次選考をクリアーし、いよいよ最終選考へ。

 参加者がそれぞれ手持ちの3票を投じた結果、50万円の助成を申請していたCOP10イベント・プロジェクトとBDF発電が上位となり、2009年度助成対象はこの二つに決まった。

 前者は今年10月名古屋で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)にあわせて現地でNGO主導のイベントを企画。
 後者は新規に発電機を購入し、様々な野外イベントでBDF発電を行い、事業化を目指す。

 申請した坂田昌子さん、小田切隆一さんは共に「みなさんに選んでいただき本当にありがとうございます。大切な助成金を無駄にすることなく、しっかりとプロジェクトの実現に向けて活用していきます」と挨拶。

 1年後には助成金の使途などを含めた事業報告も行われる予定。
 今後も意欲的な市民活動を積極的に後押しすることを確認し、選考会を終えた。

 (渡瀬義孝)

裁判員制度でますます問われる「推定無罪」 小沢幹事長への強引な捜査で検察は国民の信頼を失った 大谷昭宏さんインタビュー

プロフィール▼おおたに・あきひろ
1945年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。読売新聞大阪本社社会部、警察担当などを経て1987年読売新聞社を退社。現在は大阪に事務所を設けてジャーナリズム活動を展開。

2月3日、東京地検特捜部は民主党小沢幹事長の不起訴を決定。検察の強引な捜査やマスコミのリーク報道に批判が強まるなか、ジャーナリストの大谷昭宏さんに話を聞いた。

<あまりに政治的に見える検察捜査>

◆民主党小沢幹事長関連の検察捜査は2度目です

 検察は「疑うに足る事実があるから粛々と捜査しているんだ」と主張するでしょうが、私はちょっと異常だと思います。

 確かに現場の検察官は一生懸命捜査しているのでしょうが、ただ検察の捜査は警察が取り扱う強行事件、発生事件とは異なり、やるもやらないも検察に任されているわけです。
 例えば警察の場合、殺人事件が起きているのに「これはわれわれの都合で捜査しない」とか、盗難の被害届が出ているのに「これは捜査しません」とはなりません。

 ここが警察の扱う事件と検察特捜部の扱う事件との大きな違いで、着手するかしないかは恣意的に決められる。
 たとえ市民団体から告訴・告発があったからと言って、事件処理をせずに「これについては嫌疑がなかった」とすることはいくらでもできるわけです。

 こう考えると、昨年の3月3日に大久保秘書を逮捕し、さらに国会議員となった小沢氏の元秘書を逮捕するのはかなり異常な事態です。
 普通は1回捜査して起訴すれば終わりです。捜査対象は西松建設と水谷建設の違いはあれ、一つのお金の流れです。これで二度も捜査されるなんておかしな話なんです。

 例えば東北地方のゼネコン絡みのお金の流れを捜査していて、今度は別の、例えば田中角栄のようにロッキードからも金が流れている、とまったく違う疑惑が出てきたのならまだ分かります。しかしそうじゃない。

 もし脱税で3度目の捜査をするなんてことになれば、いくら検察が「狙い撃ちしているわけではない」と言い訳をしても通用しないでしょう。
 そんなことをしたら検察は国民の信頼を失ってしまいます。

(続きは本誌2010年4月号でご覧ください)

 

世界各地で始まったイラク戦争検証 マスメディアの報道責任も問われている 志葉玲さん

プロフィール▼しば・れい
1975年東京生まれ。大学卒業後、番組制作会社を経て、2002年春から環境、平和、人権をテーマにフリーランスジャーナリストとして活動。2003年のイラク戦争では、3月22日から4月6日まで、バグダッド南部のドーラ浄水場に「人間の盾」として滞在しながら民間人の空爆被害を取材。同年6月のイラク取材では、同国中西部ラマディにて米軍に不当拘束され、捕虜収容所に8日間拘禁されるなど、一貫してイラク戦争報道に力を入れてきた。

 もうじきイラク戦争開戦から7年になる。
 報道も大幅に減り、人々の関心も薄れてはいるが、現地の情況は今なお深刻だ。

 特に、この間の戦乱から逃れてイラク国内・国外で避難生活を送る人々は400~450万人にものぼると言われる。
 ざっとイラク人の6人に1人が我が家を追われ、同じく450万人が親を失った子どもなのだ。

 この戦争で殺されたイラク人が何人なのかは、ちゃんとした調査すらされていない。
 WHO(世界保健機構)の推計では15万人、ジョンズ・ホプキンス大学の推計では最大で65万5000人、米シンクタンクや英調査会社のように100万人以上という推計もある。

 確かなことは、開戦の根拠とされた「イラクの大量破壊兵器保有疑惑」「フセイン政権とアルカイダとの関係」といった情報が完全に誤りで、言わばいい加減なガセネタのために膨大な数のイラク人が犬死させられたということだ。

<政府の嘘を垂れ流したマスメディア>

 戦争に情報操作や煽動はつきものだが、その質・規模においてイラク戦争は近年では最もマスメディアが戦争に加担した事例なのではないかと感じる。
 中でも酷かったのは、米国の「リベラルな新聞」(私は異論があるけども)の代表格とされるニューヨークタイムズ紙の報道だ。

 02年9月8日付けの同紙は「イラクがウランの濃縮技術に使うアルミ管を入手しようとしていた」とトップで報じた。
 米政府高官はこの報道を受けて、イラクの脅威を強調したのだが、実は同紙のネタ元が当の米高官だったのだ。
 つまり、米政府によるマッチポンプだったのである。

 日本のマスコミの報道にも疑問を感じざる得ないものが少なくなかった。
 開戦前後に露骨な戦争支持の社説を連発した読売・産経の両紙は論外だが、米国や日本政府当局の情報を検証もせず、たれ流すということが、日本のマスコミに(いつものように)多かれ少なかれ観られた。

(続きは本誌2010年4月号でご覧ください)

 

瀬戸内海の生物多様性保全のための第2回三学会合同シンポジウム 「上関(かみのせき) 瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所」

瀬戸内海は、日本の沿岸海域の中でひときわ高い生物生産力と生物多様性を有する内湾でしたが、その生物学的な豊かさは、近年の沿岸開発によって大きく損なわれてしまいました。

その中で周防灘の上関周辺は、本来の豊かさがよく残されている稀な場所です。
しかし、今ここに、原子力発電所の建設が計画されています。

その環境アセスメントはきわめて問題の多いもので、これに対して、生物学研究者の組織である3つの学会(日本生態学会、日本ベントス学会、日本鳥学会)は、生物多様性保全の視点から、もっと慎重な環境アセスメントを求める要望書を事業者に提出しています。

しかし、これらの要望書は、全く無視され、埋め立て工事が着工されようとしています。

このままでは、今までかろうじて残されてきた瀬戸内海本来の豊かさが完全に失われてしまうかもしれません。
そのような取り返しのつかない損失を防ぐために、学会の「要望書」の内容を多くの人に知っていただきたいと考え、下記シンポジウムを開催いたします。

開 催 日: 2010年3月14日(日)午後1時30分~4時30分
会  場: 明治大学駿河台校舎リバティホール
(リバティタワー 1F 松井康成ホール)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩3分
参加費: 500円(資料代)

【主 催】
日本生態学会 自然保護専門委員会
日本鳥学会 鳥類保護委員会
日本ベントス学会 自然環境保全委員会(ベントスは底生生物)

3/14三学会合同シンポジウム実行委員長: 倉本宣(明治大学農学部教授)

【後 援】
(財)日本自然保護協会、(財)世界自然保護基金(WWF)ジャパン、
(財)日本野鳥の会、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本、
バードライフ・インターナショナル、日本魚類学会自然保護委員会

【事務局、問い合わせ先】
日本生態学会上関原子力発電所問題要望書アフターケア委員会
代表:安渓遊地(Tel: 083-928-5496、e-mail: ankeiyuji@gmail.com
庶務:佐藤正典(Tel: 099-285-8169、e-mail: sato@sci.kagoshima-u.ac.jp

【プログラム】
13:30:開会
13:30:-13:35
(主催者挨拶)立川賢一(日本生態学会自然保護専門委員会委員長)

13:35-13:50:はじめに(シンポジウム全体の趣旨説明)
「上関原子力発電所建設計画のあらまし」佐藤正典(鹿児島大学)

13:50-14:35:講演1「周防灘に残されている瀬戸内海の原風景」
加藤真(京都大学)

14:35-15:05:講演2「上関に生息する希少な鳥類について」
飯田知彦(九州大学大学院・日本生態学会)

15:05-15:35:3学会の要望書の説明
安渓遊地(日本生態学会上関問題要望書アフターケア委員会委員長)
佐藤重穂(日本鳥学会鳥類保護委員会副委員長)
逸見泰久(日本ベントス学会自然環境保全委員会委員長)

15:35-15:45:コメント1「陸上生物、里山の観点から」
野間直彦(滋賀県立大学)
15:45-15:55:コメント2「スナメリについて」粕谷俊雄(要請中)
15:55-16:10:コメント3「生物多様性条約に基づく国の政策」
国会議員(参加要請中)

16:10-16:40:質疑応答
16:40-16:45:
(閉会挨拶) 風呂田利夫(日本ベントス学会会長)

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【シンポジウムのチラシ】あります。
ご希望の方は下記宛てご請求ください。

原子力資料情報室(担当:永井・澤井)
〒162-0065
東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL:              03-3357-3800         03-3357-3800  FAX:03-3357-3801
e-mail :cnic@nifty.com
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【関連情報は下記サイトをご参照ください】

■日本生態学会

「上関原子力発電所建設予定地の自然の保全に関する要望書」
http://www.esj.ne.jp/esj/ESJ_NConsv/2000Kaminoseki.html
http://www.esj.ne.jp/esj/ESJ_NConsv/2001Kaminoseki.html

安渓遊地:日本生態学会のこれまでの取り組みのまとめ
http://ankei.jp/yuji/file/0910/000808_1.pdf

■日本鳥学会

「上関原子力発電所計画地点における鳥類生息状況調査結果開示の要請について」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/osj/japanese/NotificationMain.html#Chuden_2009Aug

「衆議院環境委員会における環境省総合環境政策局長の答弁に関する意見と要望」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/osj/japanese/materials/Iken&Youbo_2009.pdf

飯田知彦さん(九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門)
「カンムリウミスズメ」について
http://www3.ocn.ne.jp/~kumataka/umisuzume-menu.html

■日本ベントス学会

「上関原子力発電所建設計画に関する詳細調査・環境影響評価についての要望
書」(2005/11/11)
http://www.benthos-research.info/menu4.html

■上関原発を建てさせない祝島島民の会(署名用紙:ダウンロードできます)
http://shimabito.net/

■祝島市場
http://www5d.biglobe.ne.jp/~jf-iwai/

■長島の自然を守る会
http://www2.ocn.ne.jp/~haguman/nagasima.htm
ガイドブック「危機に瀕する長島の自然~上関原発予定地および周辺の生きもの
たち~」
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=871