9月19日、東電福島原発事故で明らかとなった原子力行政の機能不全を解決すべく原子力規制委員会が発足した。しかし委員の人選などに多くの問題があると指摘されている。事故後、避難や賠償の問題に取り組んできたFoEジャパンの満田夏花さんに話を聞いた。 (聞き手=本誌・温井)

<またしても原子力ムラ人事が>

◆独立した規制委員会になり得るのでしょうか?

 今年7月下旬、原子力規制委員会人事について読売、日経新聞で先行報道があり、田中俊一委員長他の人選を知りました。原子力規制委員会の趣旨に照らせば、とても適格な人選とは言えない、問題があると思いました。

 原子力規制委員会は、福島原発事故の教訓を踏まえて設置されたはずです。つまりこれまでのような推進と規制が一体となった組織ではなく、原子力ムラからの独立性が高い規制組織となることが目的です。法案を提起した多くの議員の関心も、原子力ムラの影響力排除でした。

 法案審議の過程でも、「原子力事業者は委員や委員長になってはいけないという規定は、現在だけではなく過去の経歴にも遡って適用されるのか」と議員から質問があり、それに対して民主党の近藤昭一議員や生方幸夫議員は「そのとおりです」と答えていました。

 その後7月3日付けで発表された政府のガイドラインでは、「就任前直近3年間、原子力事業者およびその役員であった者を除く」と明記しています。それに基づけば更田豊志委員と中村佳代子委員は間違いなく欠格です。

 更田豊志さんは日本原子力研究開発機構の安全研究センター副センター長で、中村佳代子さんの所属する「日本アイソトープ協会」は、医療用放射性廃棄物処理工場を運営しており、原子力安全規制の対象となる事業所です。中村さんは記者会見で「ずっと研究をやっておりました」と言いましたが、能力や人格とは関係なく、法の趣旨に照らせば欠格なのです。

 委員長の田中俊一さんは日本原子力研究開発機構副理事長、原子力委員長代理、原子力学会会長を歴任、まさに長年「原子力ムラ」の中心にいた人です。国会審議で指摘された「過去にさかのぼって適用」されるという意味では適格とは言えません。

 また過去3年間という意味でも、田中さんは今年3月まで高度情報科学技術研究機構(旧原子力データセンター)の顧問をしていました。高度情報科学技術研究機構の事業収入は約7億1千万円ですが、そのうちの約5億2千万円をJAEA(原子力研究開発機構)から得ています。

 JAEAの定義によれば、当該法人の収入の3分の2以上を発注している場合、その法人は「関連法人」だとしています。つまり田中さんは、原子力事業者の関連法人顧問となりますので、到底欠格ではないと言い切れないわけです。

(続きは本誌1331号でお読みください)

 

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