9月20日、ドキュメンタリー作品「原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録~」が、東京都内の「スペースたんぽぽ」で上映された。

 制作者の堀切さとみさんは、プロの映像作家ではない。給食調理員のかたわら2008年よりビデオカメラを回し始め、最初に上関原発に反対する祝島の映像作品を制作。今回は福島原発事故で避難生活を余儀なくされている双葉町の人たちに焦点を当てている。

 福島第一原発から20㎞圏内にある双葉町は3・11直後、全世帯に避難勧告が出され、住民は当初「さいたまスーパーアリーナ」に避難。そこで堀切さんは、「俺たちはどうせ忘れられていくのさ」という避難民の言葉を聞いた。それからは次の避難先である埼玉県加須市の旧騎西高校へ通い、避難生活を送っている人たちの様子や声を記録し続けた。

 この作品を見て気づくのは、とにかくどの人も率直に語っているということだ。「誰かに話したかった」と多くの町民が吐露したそうだが、それにしても驚くほど本心を語っているのが印象的だ。

 カメラは避難所だけではなく、借り上げたアパートや借家の中など完全なプライベート空間にまで入っている。そこには家族でくつろぎながら話しているシーンや、他人にはまず言わないような身内の話しを気さくに話している様子が映し出され、見ている自分が友人か親類のような気分になる。

 作品に登場する人たちは著名な学者や有名人ではなく、本当に一般の人たち。私は福島出身ではないし、知り合いもいない。それなのに彼・彼女らが言葉を発している姿を自分でも不思議なほど見入ってしまうのだ。

 昨今、政治家や学者や評論家には心に響く言葉が少ない中、伝わる言葉とは何だろうかと考えてしまった。福島原発事故が歴史的な出来事である以上、この作品は後世に残すべきだと思うし、国内はもとより海外での上映もして欲しい。原発事故が起きた時のこと、そして日本という国の実情を知ってもらうのに最適だからだ。

 関心のある方は堀切さんのツイッターアカウント@pecohorisatoか、メールnnkrb-yok@docomo.ne.jpまで直接、問い合わせて下さい。

 (臼井盾)

 

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