福島第一原発事故から五か月がたっても、その収束が見えず、高度の放射能で事故原因の検証も困難なまま、放射能汚染が全国に広がっています。

 「福島から630km離れているから大丈夫」と言っていた北海道大学の島津洋一郎(元)、杉山憲一郎教授らの言葉とは裏腹に、私たちの住む北海道でも、基準値を超えるセシウムを含む牛肉が食卓にのりました。

 毒物学者のジャネット・シャーマンは、原発一機が爆発すると、地球の半分が放射能に汚染されるといっています。今、私たちが今体験しているのは、正にこれです。

<事故当事国なのに無責任と無関心が続く日本>

 福島第一原発事故が起きてすぐ、ドイツでは3月26日、25万人デモが行われ、国内の原発をすべて停止させました。3か月間かけて、全ての原発の検査が行われることとなり、飛行機が落ちた場合、テロ攻撃を受けた場合などを想定しての検査が行われました。非常時の全電源喪失時には、72時間の非常電源を確保することが、新たな安全対策として検討されています。

 あのベルスコーニのイタリアでさえ、90%の反対票で、原発建設計画が止められました。80%の電力を原発に依存するフランスでも、福島第一事故後の調査では、77%の国民が脱原発を望んでいることが報告されました。

 このように福島第一原発事故が、ヨーロッパ市民を動かし、原発政策の舵を大きく切り換えていたその時、北海道新聞が行った道民意識調査では、脱原発を望む人はたったの50%でした。

 原因の解明もされぬまま、新たな安全対策もなされずに、斑目春樹をはじめとする原子力村住民たちは、何の責任も取らずに無責任な言動を続けています。そして福島から何度も20mSVの撤回交渉に駆けつけた親たちに会うことも拒否して、政治家たちは権力争いに夢中です。

 つい最近、経産省が過去4年間にわたって、1億3000万円の血税を使って、東電の会長をはじめとする電力会社の役員たちが理事を務める財団法人に、原発情報の監視を委託してきた事実が報道されました。九州電力や中国電力などの電力会社のみならず、佐賀県知事や保安院がやらせの指示を出していた事実も、次々と明らかになってきました。

 自民党への寄付の70%が電力会社役員からの寄付である事実、民主党もまた電力会社から寄付をもらい、北海道知事が北電の役員から寄付を受けていることも、再度、明らかにされました。

 賠償金支援法の成立で、事故を起こした東電に助け舟を出す一方で、被災者には賠償金に上限を設け、自主避難者は賠償の対象にはされないことが決められました。そして、あっという間に原発メディア情報監視法も可決され、広告代理店のアサツーディ・ケイ(ADK・東京)が約7000万円で落札し契約が決まりました。これも国民の税金です。

 北海道では、今月中に泊原発4町村全戸対象に防災計画に関するアンケート調査をすると報道された直後、「民意の多数が原発の安全対策に不安を表明したら、泊3号機の営業運転再開に影響を与えることになるかもしれない。道はこれに責任を取れるのか!」と自民党が「声を荒げ」、アンケート調査は延期になりました。

 国は、福島の子どもたちに原発作業員並みの被ばくを強制して見殺しにしています。そして福島県庁は、県外でのサマーキャンプの企画までつぶし、福島からの避難者を受け入れないように、受け入れ先の自治体に呼びかけまでしている事実も発覚しています。

【泉かおり】1957年生まれ。札幌出身。国連食糧農業機構(FAO)アフリカ東南部地域支部、及びローマ本部で、土地問題とHIVエイズの担当官として勤務後、辞職し、25年ぶりに帰国。現在、Shut泊代表、福島の子どもたちを守る会・北海道共同代表、泊3号機本格運転再開差し止め訴訟原告団代表

【Shut泊】3月11日の福島第一原発事故をきっかけに、札幌で脱原発運動のグループとして発足。以来、デモ、署名運動、要請行動、座り込み、などを続けてきた。
(続きは本誌1318号でご覧ください)

 

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