冤罪事件が繰り返し起きる中、取調べの全面可視化を求める集会が12月2日、東京都千代田区の弁護士会館で開催された。
 主催は、取調べの可視化を求める市民集会実行委員会、共催は日本弁護士連合会。

 ドキュメンタリー映画『つくられる自白~志布志の悲劇』の上映後、冤罪被害の当事者が発言。
 足利事件の菅家利和さんは「取調べで髪の毛を思い切りひっぱられ、足蹴りされた」と語り、そのような不法なことが起きないためにも「取調べの可視化が絶対必要」と訴えた。

 布川事件の桜井昌司さんは「日本の警察が取り調べを映像化できないのは、不法行為をしているから。取調べ技術を磨こうとせず、殴ったり、蹴ったりして自白させようとしているだけ」と批判。
 同じく被害者の杉山卓男さんも、密室で作られる供述書の問題を訴えた。

 厚労省元局長事件弁護団の河津博史さんは、大阪地検特捜部が関係者にウソの供述を強要し、その延長線上に証拠改ざんが行われたと指摘。
 「密室である取調室の中でこそ真実に反する証拠が作成されることが改めて明らかになった」。
 被疑者だけでなく参考人の取調べについても全面可視化が必要だと語った。

 秋田真志弁護士は、大阪府警東警察署の警察官に自白を強要された男性の弁護団。
 取調べ時の録音が再生されると、会場に警察官の怒声が響いた。
 「殴るぞ。なめるな。手出さんと思ったら大間違いやぞ」。
 あまりの暴言にあ然とする。

 ジャーナリストの江川紹子さんは、検察の書面をすぐに採用する裁判所の問題を指摘。
 続いて元裁判官・木谷明さんの発言の後、集会アピールを採択。
 最後に日弁連の宇都宮健児会長が登壇。
 「可視化の問題は議論ではなくいかに早く実行するかの段階」であるとし、日弁連だけでなく市民と共に可視化の実現を急ぎたいと呼びかけた。

 (温井立央)

 

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