皆さんに、大きな支援をいただいてきた河内国賠訴訟。
 反戦運動の友人3人とルームシェアをしていた河内さんを「詐欺罪」で逮捕した国に対し、国家賠償を求めて2007年12月に提訴。
 その裁判の判決が今年7月8日に高裁で出ました(詳細は『Actio』9月号)。

 残念ながら、一審・二審とも敗訴。河内さん側の主張に正面から向き合うことのない判決理由でした。

 当然、上告も検討しましたが、事実関係の認定を最高裁判所で覆すことは基本的にできない以上、現実的に勝訴の見込みはないと判断。
 7月21日に上告を断念することを決断しました。敗訴は大変残念です。

 ただ、「公安権力による社会運動への弾圧を牽制する提訴」という所期の目的は、ここまでのプロセスでも一通り達成できたと私たちは考えています。

 一審では、河内さんの逮捕・勾留を指揮した警察の担当者を証人として出廷させ、事件が公安警察の自作自演であることを実質的に認めさせました。

 二審では、危機感を覚えた警察・検察側が、事件当時の家主の被害感情を示しているとする新資料を提出してきたものの、裁判官が証拠としての不備を指摘。
 結局そのまま取り下げてしまう一幕もありました。
 1回の公判で結審してしまう可能性もあった控訴審で、けっきょく結審前3回の公判を開くことを余儀なくさせました。

 これだけの好材料があったにもかかわらず敗訴とする現在の司法に、改めて失望を感じます。
 しかし、少なくとも公判のプロセスで、予想以上に相手方を追い込んだ場面を作ることができたのは間違いありません。

 思えば、今回の河内さんの闘いは、ともかく不当な社会運動弾圧に対して、なにか反撃しなければならないとの思いで始まりました。
 権力といえども、なんのリスクも取らずに運動を弾圧できるわけではない。
 そういう社会的な力関係の再構築に、一定の貢献ができたと考えます。

 現在も、沖縄県・高江や山口県・祝島の住民運動に対して、司法の場を使った新しいタイプの弾圧が行われつつあります。
 そんな中、私たちは今後さらに人権を守る様々な運動に最大限の協力をさせていただく所存です。

 なお、これまで河内国賠訴訟に寄せられた支援金の総額は717,000円。
 訴訟の手続き費用と弁護士費用をここから支出し、2010年7月9日現在の残金は65,040円です。
 この残金については、事件によって転職・転居などの多大な経済的負担を強いられながらも、訴訟費用の一部を自己負担した河内誠さん自身に全額寄付いたします。
 御了承ください。

 これまで物心両面で篤い支援をしてくださった皆さん。本当に有難うございました。
 重ねて御礼申し上げます。