5月16日、上原巌さんに森林療法を学ぶワークショップが埼玉県の雑木林「くぬぎ山」で開催された。
 主催は、水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部とくぬぎやま再生ワーク。

 このワークショップは、ハードワークな森林再生にとりくんでいるかわうそ倶楽部会員が森林で癒されたいという思いから企画された。

 上原さんは農学博士で、現在東京農業大学准教授。
 主な研究テーマは放置林の再生と森林の保健休養機能について。
 森林と人間がともに健やかになることを目指し、各地で森林の再生と森林療法を実践している。

 午前中は、くぬぎ山近隣の公民館で森林療法についての講演がおこなわれた。
 養護学校や障がい者施設における森林療育の研究、ヨーロッパにおける自然保養地調査の結果などが語られた。

 午後からはくぬぎ山に移動して、森林療法のワークショップ。
 くぬぎ山は、埼玉県西部の川越市、狭山市、所沢市、ふじみ野市、三芳町の境界線上に広がる雑木林。
 90年代には産廃銀座と呼ばれるほど産廃施設が集中し、付近には焼却施設から排出される煙が立ち込め、ダイオキシン被害が問題になった。

 しかし、周辺住民を中心にした運動によって、最盛期には18基あった焼却炉が2002年には全て撤去された。
 その後くぬぎ山ではさまざまなグループが、雑木林の再生にとりくんでいる。

 今回のワークショップは、くぬぎ山再生ワークが8年に渡って再生にとりくんできた約1ヘクタールのヤマでおこなわれた。

 まず、立ち枯れたコナラを切り倒すために周辺の草を刈りとる。そしてコナラの伐木。
 上原さん自らがコナラにのこぎりを入れる。参加者も変わるがわる斧やのこぎりで切り込みを入れ伐採。
 さらに、切り倒したコナラを玉切りにして円形に並べると、気持ちのいい癒しの空間に。参加者一同の会話も自然に弾んでいく。

 最後に、間伐材と落ち葉によってほっくりと焼き上げられたさつまいもがふるまわれ、一日の労がねぎらわれた。

 いつもの森林保全活動が、運用のしかたによっては森林療法にもなりうるということを実感。
 森林保全活動の新たな領域への可能性を感じた。

 (山口雅弘:水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部) 

 

 

One Response to 森林療法で森林保全活動の新たな領域を開く

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