寄(やどりき)は、丹沢・鍋割山のふもとに開けるちいさな集落です。

 初夏のある日、集落の集会場で、映画を見ながらのお茶会がありました。
 呼びかけたのは、近くに住む精神科職員、半田貴史さん。
 かれこれ3年前から、しいたけ農家の地主さんの林や、集落の共有林の手入れに通い、いつしか寄に住み着いてしまった人です。

 映画は『神の舞う島』。
 瀬戸内海に浮かぶ人口530人の祝島には、原発の建設計画が持ち上がっています。
 しかしそれに反対し、今まで通りの自分たちの生活を営む人たちがいます。
 その祝島に魅せられ、首都圏から通いつめて映画を完成させた監督の堀切さとみさんも会場に招かれました。

 ちいさな集落の集会場でひらかれた、ちいさなお茶会。一杯のお茶とスクリーンでつながった、十数畳の時空。

 けれど「ここは僕にとって世界の中心。関われば関わるほど世界と繋がれる」と半田さんは目を輝かせます。

 お茶会の訪問客は、回覧板で上映会のチラシを見たり、人づてに聞いた集落の人や、東京のアースデイで水源の森の存在を知った人たち。
 そして参加者の半数を占めたのは子どもたち。

 ここには森と里と都市のつながり、スクリーンには海、そしてそれを見つめる未来がありました。   

 (トト)

 

 

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