普天間基地問題をめぐる鳩山政権の動きは未だ迷走を続けており、5月20日現在の報道では、結局辺野古埋め立て案に帰着するのではないかと言われている。

 この問題を巡っては様々な報道が先行的、場当たり的、無責任に報じられており、閣僚の同じ発言を巡って正反対に報じられたりするなど「報道合戦」の様相を呈し、実相が何なのか、判断しかねる所も多い。

 しかし5月28日には「日米共同声明」を出すとも報道されており、いよいよ沖縄でも緊張が高まっている。

 現状で未だ結論が出ない中で、この問題に対して、そして鳩山政権に対して断定的な意見を主張するのは難しいが、いずれにせよ、現状では「日米合意」に沿った県内移設の方向に進んでいることは間違いない事実のようであり、いよいよ私たち沖縄県民にもこれまで以上に重大な決意で取り組まなければならない事態が目の前に迫っていることをひしひしと感じる。

 私たち沖縄県民が民主党、鳩山政権にどんなに期待をしたか。

 かつて辺野古の座り込みテントには民主党の国会議員が何人も訪れ、「民主党に選挙で勝たせてもらえればこの問題は解決する事ができる」「とにかく民主党を勝たせて下さい」などと語っていた。

 衆院選で当選した民主党の国会議員は全て県内移設に反対していた。
 政権が替わり、名護市長も反対派が当選し、県議会も与野党挙げて県内移設反対に替わった。
 それらを受け、辺野古の移設推進派も敗北を確信し、看板を下ろしてしまった。
 移設反対で座りこみを続けていた辺野古のオジー、オバー達がどんなに喜んだことだろう。

普天間基地を人間の鎖で包囲(写真:普天間爆音訴訟団)

 4月25日の県民大会は県知事や各市町村長、公明党、自民党も含めたまさに県民総ぐるみの集会として開催された。
 どれもこれもこれまで無かったことであり、あとは鳩山首相がこうした県民の意思を背景にアメリカと交渉を開始すればよかっただけの事だ、誰もがそう期待したはずだ。

 しかし、鳩山政権のこの腰砕けぶりは一体何なのだ。誰もが鳩山首相の豹変ぶりに落胆し、目の前で起こっている現実に、いやあまりにも非現実的な対応に目を疑い、唖然としているというのが実情だ。
 徳之島を含め、圧倒的な反対派を前にして少数の推進派と対話を進め、振興策をチラつかせ、切り崩しを図っていくというのは、まさに彼らが批判してやまない破綻した自民党が過去にやった事の2番煎じであり、断じて受け入れられる内容ではない。

 こうした鳩山政権の対応に心底からの怒りを感じつつも、ではどうすればいいのかという点では、想定外の出来事に考えが及ばず、チルダイ(虚無感を感じる)するといった場面もままある。
 が、しかし、ここは踏ん張らなければならない。

 この事態に対し私たち読谷の仲間の間では主に2つの意見がある。

 一つは、反対のみを言うのではなく、基地のいらない社会の仕組みをキチンと計画し、その実現に向けた運動として基地反対運動を行うべきだという意見。
 もう一つは単純に沖縄から嫌なものは嫌だとハッキリと言い続け、それが全国に広がり、全国民が嫌だと言ったら「じゃあ無くしましょう」という方向に持っていけばいいのではないか、という意見だ。

 私は後者を前提にしつつも、長期的には前者の方向性をキチンと模索しないと「抑止力」云々で反論してくる連中に対抗できないのではないか、という意見だ。

 いずれにせよ、この問題はまた今後数年、あるいはそれ以上の期間を経ないと解決できない問題だと感じている。
 鳩山政権の結論がどう出ようとも、今後もより一層の粘り強い闘いの在り方が問われていることは間違いない。

(本誌1304号掲載)

5月15日の普天間基地包囲集会(写真:普天間爆音訴訟団)

 

One Response to 普天間基地移設を巡る事態について 辺野古とつながる読谷の会 仲宗根盛秀

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