プロフィール▼はなわ・しんいち
 WWFジャパン自然保護室 
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沖縄・普天間基地問題は移転先が不透明なまま年を越えた。移設先候補とされる辺野古に関しては昨年4月、環境アセスメント準備書の公告縦覧が始まっている。長年に渡って辺野古基地建設に反対してきたWWFジャパンの花輪伸一さんに聞いた。(文責・編集部)

米文化財保護法に違反する基地建設

◆ジュゴン訴訟判決が注目されています

 裁判は2003年9月に提訴され、2008年1月24日にサンフランシスコ連邦地裁で中間判決が出されました。
 原告は日本環境法律家連盟と生物多様性センターなど日米の環境団体、そして沖縄のジュゴン。被告はアメリカの国防総省。
 この裁判は国防長官を相手に争ったため、アメリカでは「沖縄ジュゴン対ラムズフェルド事件」と呼ばれています。

 訴訟のポイントは、米軍基地建設は米国文化財保護法(国家歴史保存法=NHPA)違反だとする点です。連邦地裁は判決で、国防総省が文化財保護法の必須条件を遵守しなかったと判断しました。

 実際に軍事基地を建設するのは日本ですが、アメリカは建設計画に深く関与している。辺野古付近には日本の天然記念物ジュゴンが生息しており、基地建設はこれに影響を及ぼす可能性がある。そのことに配慮しないのは法律違反だと断じたわけです。

 法の遵守を命じた裁判所は、国防総省に対してジュゴンに及ぼす影響評価のために必要な資料の提出を命じています。しかし国防総省側は日本の環境アセスメントで事足りると主張。原告はこれを批判する文書を提出しており、本判決も近々出ると予想されます。

 辺野古沖合いは日米地位協定上の「提供区域」で、日本が工事をするためには米軍の許可が必要です。ですが中間判決は国防総省の違法行為を認定しましたから、許可は与えられない。

 にもかかわらずもし米軍が許可を出したら、原告側は工事の差し止め訴訟を請求する方針です。その裁判に勝つ可能性は非常に高いと考えています。

(続きは本誌2010年2月号でご覧ください)