JR東海が5兆1千億円もの建設計画を進めているリニア中央新幹線。
 東京から名古屋までたった67分で到着。さらに南アルプスにトンネルを通せば7分節約できる計算だ。
 しかしそんなに急いで私達の生活は本当に豊かになるのだろうか?

 2009年10月24日『新政権に望む リニア中央新幹線計画の検証』が、渋谷の環境パートナーシップオフィスにて開催され、川村晃生さん(リニア市民ネット代表)と橋山禮治郎さん(アラバマ大学名誉教授)がリニア計画の実現性に疑問を投げかけた。

 橋山教授はリニア計画の新聞報道資料を配付し、経済効果の疑問点について指摘。

 毎日新聞山梨版(2009年10月15日)によると、山梨県内のリニアの経済効果試算は、年146億円にのぼる。
 東京や神奈川などの首都圏からの交流人口増加は業務目的で1日平均1万4700人、観光目的で約5100人。県内企業の総生産も0・2%上昇するという。

 しかし、在来線への乗り入れが不自由であることや、日本の人口減少によって利用者の増加は見込めないのが現実だ。

 またJR東海は中間駅建設費の全面負担を地元自治体に求めているが、財政難の自治体にとっては到底受け入れられないものだ。
 しかもJR東海は国庫に頼らず自前で建設する予定で赤字は確実だ。

 トンネル工事に伴う自然破壊も問題となる。
 リニア新幹線は3ルートが想定されているが、なかでも南アルプスを貫通するルートは、生態系への被害が計り知れない。
 動植物は壊滅的な影響を受けると考えられる。

 山梨日日新聞(2009年10月6日)によると、山梨県のリニア実験線延伸に伴うトンネル工事によって笛吹市の簡易水道の水源が枯渇、農業用水として使用される天川(てかわ)も干上がってしまった。
 工事を行っている鉄道建設・運輸施設整備支援機構は「簡易水道の水をためていた地層(帯水層)近くを掘ったことが原因」と認めている。

 さらにリニア新幹線の問題は、大量の電気を消費することだ。
 座席数、走行本数が新幹線と同じだとすると1日当たり544万キロワット、原発5基分の電力を必要とする。
 沿線住民が高い電磁波にさらされる事も心配だ。

 スピード優先でなく、次世代のためにもリニア建設は止めてほしい。

 (元木菜々子)

 

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