2009年12月13日、群馬県高崎市にて、八ッ場のこれからを考える緊急集会が行われ、約250名が参加した。八ッ場あしたの会、八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会の共催。

 政権交代から3ヶ月が過ぎ、群馬県の長野原町に建設予定だった八ッ場ダム現地では問題が山積みになっている。

 前原国土交通相のダム中止発言により止まったのはダム本体工事だけで周辺工事は今も続けられている。地元住民の新たな生活の見通しはたっていない。ダム中止後の課題や生活再建の道をさぐっていくのが、今回の緊急集会の趣旨だ。

 第1部では、ドキュメンタリー映画『水になった村』の大西暢夫監督が語る。

 「全国のダム予定地を約20年にわたり見てきた。ダム完成後の移転先を訪ねるとダム御殿が出来て喜んだのは最初だけで、山も友達もなくなり、家には鍵をかける生活で喪失感を感じるとの話を聞く。八ッ場ダムのように中止になっても、人々には戸惑いがある。報道されない人々の暮らしがあることを下流のみなさんに伝えていきたい」

 五木を育む・清流川辺川を守る県民の会の中島康さんは、2008年に熊本県知事がダム凍結宣言をした川辺川ダム問題と水没予定地だった五木村について報告した。

 第2部のパネルディスカッションでは、長野原町議の牧山明さんも加わり議論が交わされた。

 牧山町議は「ダム賛成・反対に関係なく、安全な道路、安全な地域作りが課題。ダム予定地は地すべり地が22箇所もあるのにそれに見合う予算がつけられていない」。

 都市計画プランナーの司波寛さんは「巨大ダム建設は高度経済成長期のもの。日本はこれから人口減となる。すでにあるものを維持管理し、いらないものは壊す時代へと変化するだろう。八ッ場は今後の地域再生・生活再建の全国モデルになるのではないか」と分析。国が買いあげた土地を無償で貸すことを提案した。

 (新田乙絵)