SPRING LOVE ~春風~ 平和のためにできること サークル・イマジン 久保田誠
五感を解き放ち戦争について考える
4月4~5日の2日間、「SPRING LOVE ~春風~ 平和のためにできること」が、東京・代々木公園で開催されました。コンセプトは「平和・非戦・非暴力の尊さを訴えるフリーフェス」。
今回私たちサークル・イマジンは、大小都合3台のディーゼル発電機を持ち込んで、廃食油発電。ステージ2カ所他、出店ブースの照明などにパワーサプライしました。両日とも好天に恵まれ、場内は連日2万人の大盛況。
トークライブは4日が相澤恭行さん(NGOピースオン代表)、重信メイさん(ジャーナリスト)、キンバリー・ヒューズさん(翻訳家・Peace Not War Japan)、久保田弘信さん(フォト・ジャーナリスト)、5日が鎌仲ひとみさん(『ヒバクシャ』『六ヶ所村ラプソディー』監督)、ヒロシマ・ナガサキからヒバクシャの方各1名、畠山澄子さん(NGOピースボート・スタッフ)が、それぞれセッション。
相澤恭行さんは「僕は以前音楽活動をやっていました。こういうイベントに来ると楽しくて、ここにギターがあれば弾きたくなっちゃいます。そんな僕が、イラクに行って戦争を目の当たりにした時はすごいショックでした」と、『人間の盾』に参加した体験を披露。米軍の侵攻や、イラク人同士が殺し合う悲惨な現地の状況を、ピースオンの足跡とともに語りました。
重信メイさんは、「私は、(パレスチナという)戦場で生まれ育ち、そして日本にやって来ました」「私たちが子どもの頃あこがれたのは、『兵士になること』か『お医者さんになること』。どちらもリアルに仲間を助け、人のために働くことだからです」「戦争が身近でもリアルでもない日本の人々に平和の尊さを伝えたい」と、自らの生い立ちも含めた体験を話してくれました。
直前までステップを踏んだり踊ったり、ライブで大盛りあがりだった参加者が、皆座り込んでトークゲストの声に真剣に耳を傾けています。そのほとんどが、20~30代の若者。気持ちよく五感を解き放っているからこそ素直に耳を傾けられる。そんな姿が印象的でした。
圧巻だったのがメインステージでのトークセッション後、サブステージで行われたQ&Aタイム。トークゲストに対し来場者から次々と質問や意見が寄せられました。
20歳くらいの女性が「戦争の悲惨さや痛みを体験していない私たちに何ができるんでしょう?」と問う。
重信さんは、「戦争を体験してないことはいいことなんです。体験してほしくもありませんよ」。相澤さんは「僕は空爆下のイラクに行った。けれども戦下で否応なく生きるしかなかったイラクの人々との間には大きな隔たりがあります」「でも、僕はイラク人の友達がいたから活動をやってきた。みなさん、友達の痛みなら理解できるでしょう。無機質な戦争報道じゃなく、顔の見える関係をつくることが大事です」と答えました。
ヒバクシャの方々の話を聞いた若い女性は、「私の祖父は戦争に行き、祖母も疎開を体験していますが、私は家ではそうした戦争体験をちゃんと聞くことなく過ごしてきてしまいました」と語った。
幼少期にナガサキで被爆した女性は「私はあまり当時の記憶が無く、亡くなった母もあまり話してくれませんでした。私も自分の子供にはちゃんと語れていません」「でも、ピースボートに乗船した際や、今日こうして皆さんの前でお話しできました。話を聞いてくれて本当にありがとう。このような機会を作ってくれたことに感謝します」と応えました。
続けて、畠山さんや鎌仲さんは「マスメディアに頼らず、私たちがこうして直接話を聞き、友達や後の世代に伝えていくことがとっても大事」と訴えます。
トークライブが終わっても、ゲストの周りをたくさんの参加者が取り囲んで、話は尽きません。
会場に来て、音楽や食べ物を楽しみながら、戦争の話を真剣に聞いている人々。その多くは、いわゆる「集会やデモ」には敷居が高くて参加しないような方々ばかりでしょう。でも、ちゃんと話を聞き受け止め、自分なりにどうしたら良いか真剣に考えている。率直にすごいことだと思いました。もし私が何も知らずに代々木公園の脇を通りがかっていたら「若者たちが大音響でお祭り騒ぎをしている」としか感じられなかったかもしれません。
イマジンの発電機を見て、「えーこれ天ぷら油で発電しているんですか?」と話しかけてきてくれた人も多数。会場全体に電気を送りながら、逆にエネルギーをたくさん受け取った気がします。
まだまだいろんな所に出かけていって、伝えたり、一緒に考えたりしていかないとなぁと、これからの展開に俄然やる気が湧いてきた2日間でした。
