メディアを変えれば世界が変わる~メディアの社会的責任を問う~
市民がメディアを作り発信する時代へ
マスメディアの問題を考えるシンポジウム「メディアを変えれば世界が変わる~メディアの社会的責任を問う~」が2月22日、東京都内のJICA地球ひろばにて開催された。主催は国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」。
最初に元朝日新聞記者で現代メディア・フォーラム代表の柴山哲也氏による基調講演。閉鎖的な記者クラブ制度や横並び報道など、日本のジャーナリズムが抱える構造的問題を指摘。中川元財務大臣の酒気帯び会見については、「外国の報道機関が報道してから日本のメディアが一斉に取りあげた。本来ならば会見会場で記者が質問をするべき。記者クラブのなれ合い的報道の結果、何が問題なのか見極められなくなっている」と批判した。同時に、新しいメディアの構築と、メディアリテラシーを培う「メディア教育」の必要性を訴えた。
続いて広告メディアクリエイティブ「サステナ」代表・マエキタミヤコ氏が登壇し、「マスメディアよりも市民が変わる方が早い」と語り始める。情報の伝わり方には「縦糸」と「横糸」があり、日本では「お上」から一方的に告知される「縦」の情報が強く、「横」に伝える情報経路が脆弱だと指摘。原子力関係の情報は特にその傾向が強く、民主主義が健全に機能するためには、市民ネットワークが重要だと訴える。伝えられる情報を受け身で待つのではなく、好奇心をもって自ら知ること。さらに知ったことを「偉そうに教える」のではなく対等に伝えることの必要性を説く。
「多くの人は情報が権威的であることを警戒している。アートを利用し、情報を魅力的に、興味をひくものへ。人は物事を知った時、知らなかった時のことを忘れる。知らない人に上手に伝える優しさを」「みんなが情報の送り手になり、多様性が生まれる。今後市民メディアは益々盛り上がり、マスメディアは市民メディア化していく」
映画監督の鎌仲ひとみ氏は、六ヶ所再処理工場の問題を扱った『六ヶ所村ラプソディー』について「マスメディアは何百万人に一瞬にして情報を届けられるが、扱うことのできない多くのタブーがある。独立系自主映画で六ヶ所の問題をどこまで伝えられるかが心配だったが、口コミによって実際に映画を観た人よりもはるかに多くの人に伝わった」と語る。
そして記者クラブ制度の閉鎖性や、マスコミが企業や官公庁と癒着していることを指摘し、「これで社会の矛盾や不正を告発する役割が担えるのか。メディアは誰のために存在するのかを受け手も送り手も問い直すべき」と訴えた。最後に「メディアをつくる権利はプロだけが持つのではない。市民一人一人にメディアをつくる権利がある。必要な情報を市民が自ら発信していくことが欠かせない」と締めくくった。
