フォーラム「見直そう!八ッ場ダム つくろう!生活再建支援法」
ダム建設は環境を破壊しコミュニティを疲弊させた
2月28日午後2時から東京都教育会館において、フォーラム「見直そう!八ッ場ダム つくろう!生活再建支援法」が開催された。主催は八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会と八ッ場あしたの会、協力団体は公共事業チェック議員の会で約100名が参加。
あべともよ群馬県議員の司会で始まり、最初に関口茂樹群馬県議員が挨拶。
「今八ッ場ダム問題は大詰めを迎えています。国交省は『やれる公共事業は全部やろう』と考えているようですが、八ッ場ダムは無駄な公共事業だとの認識が首都圏でも地元でも徐々に広がってきました。巨額の税金を使って、かけがえのない自然の宝庫である吾妻渓谷を破壊する八ッ場ダムの本体工事はなんとしても見直し、中止させなければなりません。その第1歩のために、現地の生活再建に関する新しい法律を国会で作っていただきたいと思います」
続いて八ッ場あしたの会の運営委員の島津暉之さんが、八ッ場ダムを巡る現状と生活再建支援法が必要とされている背景について報告。
「ダム関連工事や水没予定地の代替地造成は大幅に遅れており、2015年度末完成はきわめて困難。建設事業費4600億円のうち、昨年末までの執行予定額は7割近くになり、今後さらに事業費が増額される可能性が強い」
「一方で、長年ダム問題に翻弄され、精神的にも経済的にもダメージを受けてきた地元住民の生活や精神状態はぎりぎりの状態に追い詰められている。こうしたなか地元団体からはダム早期完成の要望も出ているが、ダム中止を実現するためには地元の人たちの生活再建を保障する法律を整備することが求められている」
八ッ場あしたの会事務局長の渡辺洋子さんからも、国や県が移転住民への補償をまともに行ってこなかった現実が報告され、これらを受けて生活再建支援法へ向けて各政党から報告が行われた。
民主党の大河原雅子参議院議員は、生活再建支援法案を国会へ提出する準備を進めていることを明らかにし、次のように訴えた。
「私は民主党の公共事業検討小委員会で事務局長代理を務めております。八ッ場ダムの国直轄事業であるダム本体と堰(せき)が中止になった場合、地元へ補償するための『生活再建支援法案』を国会へ提出する方向で検討しています」「民主党はダム建設中止を訴えていますが、その帰趨は総選挙の結果に大きく左右されます。なんとしても政権交代で八ッ場ダムを中止、凍結させましょう」
日本共産党の塩川鉄也衆議院議員、社民党の保坂展人衆議院議員も報告。
保坂議員は、「ダムに関しては大変な規模の事業予算が延々と止まることなく組まれていて、費用対効果の議論ができなくなっている。しかし生活再建、地域振興をしっかり打ち出すことにより、防災にならないどころか災害の原因にすらなるダム事業については冷静に判断して止めることが可能になる。その意味で生活再建支援法案は八ッ場ダムにのみ必要なのではなく、無駄な公共事業を全般的に見直すためにも必要」と語った。
地元長野原町議員の牧山明氏、さらに11名の1都5県議会議員が挨拶しフォーラムは終了。
その後同じ会場で、はるばる長野原町から駆け付けた地元住民の話を聞く場が設けられた。長年ダム建設に翻弄されてきた心情が切々と語られ、「私たちにとっては建設だろうが中止だろうが関係ない。とにかく1日も早く生活再建の目途が立つようにしてもらいたい」との訴えに、多くの参加者が聞き入っていた。
