グリーンアクションさいたま・廃棄物問題プロジェクト 蘇我畔太郎

 昨年12月、埼玉県越谷市市議会に対して請願書「『青森県六ヶ所再処理工場』の稼動を一刻も早く止め、閉鎖することを求める意見書提出を求める件」が提出された。

 この請願を取り上げた紹介議員の報告会が1月24日、地元越谷市で行われた。主催したのは地元住民グループ。『六ヶ所村ラプソディー』上映会を行うなど継続的に再処理問題を取りあげてきた団体だ。

 現在、地方議会に六ヶ所村再処理工場の稼動停止を求める訴えを持ち込む運動が全国各地で取り組まれており、すでに20以上の自治体で請願が採択されている。

 今回、越谷市議会に提出された請願書は、再処理工場の本格稼動によって、越谷市民が食べている青森県産の農産物が深刻な放射能汚染を被ることを指摘、市民の安全と健康を守るため、国に再処理工場の停止を求める意見書を提出するよう要請している。

 請願は本会議で12対19で否決された。しかし越谷市議会で国の原子力行政に関わる内容が審議されたのは初めてのことだった。

 紹介議員の一人、玉生芳明さんは「請願そのものは残念な結果に終ったが、六ヶ所の問題を議会で取り上げたことの意義は大きい」と語る。

 10年前、東海村に向かう核燃料輸送車が市内を通行することがあり、玉生さんは原子力防災の観点から市議会で質問しようとしたが、取り下げを強く求められた。

 「これまで原子力の問題を地方議会に取りあげようとしたが『越谷とどういう関係があるのか?国の問題ではないか』と、つっぱねられ続けてきた。しかし上映会や署名運動を通じて再処理問題について認知度が高まってきた。もっとクローズアップさせていきたい」

 原発の問題に長年かかわってきた玉生さんは20年前にリヤカーを引いて越谷から広島までパレードした。その時のエピソードを紹介しながら、継続的な運動の必要性を訴えた。

 同じく紹介議員の辻浩司さん。「陳情や意見書の提出などの様々な方法が考えられるなかで、今回は請願という一番直接的な方法で問題を議会に持ち込むことができた。たかが議会だがされど議会。審議されたことが公式の記録に残ることは意味がある」。

 「否決されたのは残念だ。請願の内容や持ち込み方によっては可決の方向に持っていくことが出来たかもしれない。皆さんと検討しながら、今後の運動について考えていきたい」と語った。

 会場からは様々な意見が寄せられた。「地方の声が集まって大きくなれば政権を変えることもできる。今回の請願を通じてより多くの人に再処理の危険性を訴えよう」。「原発の危険性を訴えると同時に、市民の力で地元に根付いた自然エネルギーをつくることが出来ないか」。

 越谷と隣接するさいたま市からの参加した女性は、「自分の町でも同様の請願を提出する準備を進めている」と語っていた。運動は各地に広がっているようだ。

請願書提出・報告会