トトロの森を残したい 淵の森保全活動 水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部 松浦 雅明
東京都東村山市と埼玉県所沢市にまたがる「淵(ふち)の森」に1月25日、100人を越える人が集まり保全活動が行われた。主催は「淵の森の会」で、かわうそ倶楽部も始めて参加。
この地は小さな広葉樹の森で会長の宮崎駿さんが映画『となりのトトロ』のアイデアを構想した場所。森の中には護岸をコンクリートで固めていない柳瀬川も流れている。場所はJR武蔵野線・新秋津駅から徒歩10分。
会の発足は1996年。宅地開発されようとしていた森の保全を、近隣自治会と自然保護団体に呼び掛けたのがきっかけだ。現在は宮崎監督が3億円を寄附し、東村山市と所沢市の公有地となっている。97年に500本以上の苗木を植樹し、以来下草刈りを10年以上継続してきた。
当日は、宮崎監督も参加。安田事務局長から簡単な作業説明を受けた後、思い思いの場所へ。持参した鎌で30~40センチに成長した笹を手際よく刈っていく。中腰の作業は意外と大変だ。枯れ木の伐採は、かわうそ倶楽部とボーイスカウト経験のある中学生が担当。参加者が多いため作業もはかどり、1時間半程でほぼ全体の下草刈りが終了。甘酒がふるまわれた。
作業後は簡単な集会。宮崎監督は「市民の地道な活動で武蔵野の森が守られてきた」と感謝の挨拶。続いて初参加した人が次々と思いを述べる。「監督に会いたくて長野から来ました」「トトロの森を守りたい」などなど。かわうそ倶楽部のメンバーは「山林地域のみならず、近くて参加しやすい平坦な里山での森林保全活動も手掛けたいと思い、予定を変更して仲間を集って来ました」と発言した。
意外に思うかもしれないが、東京の面積の4割は緑地。しかしその大部分は多摩地域の山間部に集中している。平野部のほとんどは宅地化されており、「淵の森」は武蔵野の面影を残す数少ない場所だ。集まった参加者は「トトロの森」がずっと守られていくことを願い、現地を後にした。
