無駄で危険な核燃料再処理の中止を

 青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場。相次ぐトラブルで本格稼働はすでに15回も延期された。大量の放射能を環境にばらまく再処理工場は本当に必要なのか。

 さいたま市見沼区で活動を続ける環境団体「エコ見沼」は2月1日、『どうする?再処理 めぐりめぐった放射能がわたしたちの身体(カラダ)に…』を開催。会場となった東大宮コミュニティセンターには大勢が詰めかけた。

 最初にドイツのヴァッカーズドルフ再処理工場の反対運動を描いた『核分裂過程』を上映。もともと湖と森に囲まれたヴァッカーズドルフは、保守的な土地柄だった。政府は再処理工場の建設にあたって「ここに建てられないなら、どこにも建てられない」と発言。しかし住民達は「我々は従順な馬鹿者ではない」「生命を犠牲にするのか」と怒りの声を上げ、デモを行う。

 政府は何百人もの機動隊を動員し、建設予定地に座り込む人々を強制排除。高圧放水や催涙ガスが撃ち込まれ、多くの人が逮捕される。やがて敷地は鉄柵で囲まれる。「無政府主義者・共産主義者が女性や子どもを人質に内乱を起こそうとしている」と主張する政府。マスコミは同調し、抵抗する人々を「カオーテン(無法者)」と報道した。

 住民たちは「これは民主主義ではなく独裁だ。行政こそ法を順守すべき。真実が報道されていない。暴力をしかけているのは警察だ」と訴える。映画は、原子力利用は暴力的で、非民主的なことを明らかにしていく。

 続けて鎌仲ひとみ監督の『六ヶ所村通信no.4』を上映後、鎌仲さんと原子力資料情報室の澤井正子さんが対談。澤井さんは「反対運動の力でヴァッカーズドルフの再処理工場建設は1989年に中止した」「政治を変えなければ原発は止まらない」と、ドイツ「緑の党」が「脱原子力法」を策定したことを紹介。「原発の終了時期が定まっているからこそ、最終処分場の計画も話し合える」と指摘した。

鎌仲ひとみ監督と原子力資料情報室の澤井正子さん

 鎌仲さんは「医療費が削減される中、核燃料サイクルには膨大なお金がつぎ込まれている」「アメリカのハンフォード再処理施設では廃液が漏れ、地下水を汚染し、川にも流入。毎年1・3兆円を対策費にあてているが流出は止まらない」「六ヶ所の再処理工場でも膨大な電気と純水を使って、放射能廃液を強制冷却している。工場長の話によれば年間50億円ほどが使われている」と、再処理の無駄と危険性を訴えた。

 さらに電気事業連合会(電事連)の広告に対し、日本広告審査機構(JARO)が「原子力発電にクリーンという表現を使うことはなじまない」との見解を示していたことも報告された。「発電時に二酸化炭素(CO2)を出さないことだけをとらえて『クリーン』と表現すべきではない」と通達したという。

 その他にもオール電化住宅の問題や、自然エネルギーの促進など、2人のトークは多岐に渡った。会場からの質問も相次ぎ、熱気に満ちたトークイベントとなった。

ロビーでは展示も