茨城県東海村から福井県「もんじゅ」への核燃料輸送に抗議 STOP!劣化ウラン弾キャンペーン 岩本洋
深夜の首都高をプルトニウムが走る
福井県の高速増殖炉「もんじゅ」に搬入するプルトニウム燃料の輸送が、12月15日夜中におこなわれた。燃料の輸送は5月、7月に続き3回目。今回私は茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(旧動燃)東海工場前での抗議と、東京までの監視行動に参加した。
ナトリウム漏れ事故で停止した「もんじゅ」は2008年10月、13年振りに運転を再開する予定だった。しかし試験運転中に警報装置などのトラブルが続いたため、運転再開は2009年2月まで延期された。その間に燃料の劣化は進む。これを補うために急遽今回の燃料輸送が行われることとなった。政府や事業者の焦りが見てとれるようだ。
これまでは東海工場を昼間に出発していたが、冬季は凍結によるスリップ事故が多い名神高速・関ヶ原付近を夜中に通過するのを避けるため、出発時刻をずらすことが予想された。
私たちは現地に午後9時過ぎに到着。車に霜がつく寒さのなか監視を続けると、日付が変わる頃に警護車両に守られながら輸送トラックが工場から出てきた。茨城現地で反対運動を行う仲間たちと共に抗議のシュプレヒコールをあげた後、すぐに車に乗り込んでトラックを追いかける。トラックは時速80キロで走行していたが、減速して常磐道・守谷サービスエリアに入った。いつもどおり警備を交代し休憩をとるようだ。
サービスエリアでは1台のトラックを警官やガードマン数十人が取り囲む。どうみても異様な光景だ。間に割って入り放射線検知器をトラックの荷台に向ける。工場前での平常値に比べ、約30倍の測定値だ。警官やガードマンは停車中の30分間強い放射線を背中から浴び続けることになるのだが、大丈夫なのか。
この先トラックは首都高三郷線から向島を通り、都心環状内回りを抜け、抗議行動をする仲間の待つ渋谷へと走って行った。
深夜3時とはいえ年末の首都高は混んでいる。タクシーなども通常より多く、相変わらず大型トラックは先を急いでとばしている。合流部分ではヒヤリとする場面も多々あった。こんな危険な場所をプルトニウムが通過しているのを知ったら人々はどう思うだろうか。
「もんじゅ」は、正常に運転すれば兵器級プルトニウムを毎年62キログラムも産み出すため、海外から不審の目で見られている。しかも活断層の上に立地していることや、莫大な建設コストの問題もある。これまでに建設費8800億円を投じてきたが、今後さらに2000億円が必要だという。稼働のめどがたたない六ヶ所再処理工場と共に「もんじゅ」もストップさせることが最善の選択だ。
