警察の不当逮捕を黙認し公安情報だけを流すマスコミ

 「麻生邸のリアリティ―ツアー・弾圧・救援を振り返る」集会が11月29日、東京渋谷勤労福祉会館で開催された。主催は、反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉08実行委員会。

 10月26日、麻生首相の豪邸を見て格差社会を考えようと、フリーター全般労働組合が企画したツアーの参加者3人が逮捕された。その後、不当逮捕の様子を映したビデオがYou tubeなどインターネットで流され、国会でも取りあげられた。警察への批判が高まるなか、3人は11月6日に処分保留で釈放され、11月27日不起訴処分が決定した。

 集会では最初に、逮捕時の映像が上映された。逮捕前、渋谷警察署の警備課長は「デモじゃないから歩道を歩け」と主催者に言っている。その指示通りツアー参加者が淡々と歩道を歩いていると、交差点で突如公安警察が立ちはだかり、「公妨(公務執行妨害)だ!」と絶叫。制服警官が参加者に襲いかかり、道路に押さえつけ、連行。現場に居た人は「拉致される感じだった」と語る。逮捕直後、参加者が3人の勾留された渋谷警察署に抗議に行くと、警察官が入口を封鎖。接見する弁護士さえも通さない無法ぶりを示した。

  ビデオを見る限り警察の不当逮捕は明らかだが、テレビや新聞などのマスメディアは、「無届けデモ」「暴力を振るったから逮捕した」などと警察発表をそのまま垂れ流した。ニュースで流された映像は警察側が撮ったものだ。こうした権力とマスメディアの癒着関係についてジャーナリストの山口政紀さんが講演。山口さんは読売新聞の記者だったが、2003年12月に退社。メディアが冤罪・人権侵害の共犯者であると訴え続けている。

 「メディアはすでに市民の敵となっている。公安と結託して権力側の宣伝をしている。多くの人はメディアの報道しないことは知らず、メディアの報道は真実だと信じている。今回はネットでメディアのウソを暴き、世論を創り出し、不起訴を勝ち取った。大きな成果であり、画期的な闘い」

 山口さんは「権力は、反戦運動や非正規労働者の闘いをつぶし、『過激派』『危険』であるとのイメージを流し市民を洗脳しようとしている」と、2000年以降の政治弾圧について解説。立川反戦ビラ弾圧、法政大学での弾圧、「アルカイダ冤罪」事件、朝鮮総連弾圧などを取りあげた。

 問題なのはメディアが「逮捕=有罪」とみなして、逮捕容疑にないことまで公安リークで報じること。さらに逮捕時の誤報を放置し、釈放・不起訴はほとんど報道しないことだ。「不起訴は誤認逮捕だったことを認めるようなもの」「長期勾留は警察による自由剥奪刑だ」「弾圧に加担するメディアとの闘いを考えるべき」と山口さんは訴えた。

 逮捕された若者の弁護にあたった戸舘圭之弁護士は「歩いているだけで逮捕されるなんて、こんなひどい事件はあり得ないと思った。逮捕直後から2時間も弁護士接見をさせなかったのは違法。黙秘権を否定し、本人の人格を否定するような取り調べも行っている。2重3重の違法行為が行われている」と批判。

 フリーター全般労組の山口素明さんは、「意志を持って歩くこと、意志のあり方が規制されている」と発言。現行犯逮捕にもかかわらず家宅捜査まで行ったと厳しく警察を批判した。

ネット上で話題となった「ユデダコ刑事」

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