Topics(1面)

・初の黒人大統領はアメリカにエネルギー革命をもたらすか
オバマの「新ニューディール政策」に世界が注目している

  11月4日に行われたアメリカ大統領選挙で、民主党のバラク・オバマ上院議員が共和党のジョン・マケイン上院議員に勝利し、米国史上初の黒人大統領が誕生した。
 47歳の若き新大統領は選挙人349名を獲得、163名にとどまったマケイン氏に予想を上回る大差をつけて圧勝した。

 

  Activity(2~3面) 

・この国の未来を決める六ヶ所・祝島・高尾山
持続可能な社会へ舵を切るスウェーデンから学ぼう
 鎌仲ひとみさん

 11月2日高尾山で行われたエコラボキャンプ(虔十の会主催)で、映画監督の鎌仲ひとみさんが講演した。『六ヶ所村ラプソディー』制作の経験と山口県祝島での上関原発反対運動の現状を語った鎌仲さんのトークを掲載する。(文責 編集部)

 

  Reports (4~5面)

・和居和居デッキへの行政代執行にプロテスト
「高尾山秋の1000人ハイク&エコラボキャンプ」

 圏央道のトンネル工事が進む高尾山で11月2日と3日、「高尾山秋の1000人ハイク&エコラボキャンプ」が開催された。主催したのは高尾山の自然保護を訴える「虔十の会」。
 「虔十の会」は今年2月、圏央道八王子南インターチェンジと接続する高尾山トンネル南抗口のトラスト地に「和居和居デッキ」を建設。ここでの様々なイベントを通じて多くの人々にトンネル工事の不当性を訴えてきた。
 こうした動きに危機感を感じてか、国土交通省はこのデッキに対して行政代執行処分を行おうとしている。しかしトラスト地の境界をめぐって国と市民団体は東京高裁で係争中だ。この裁判の結果すら待つことなく行政代執行をするなど許されない。抗議の意思を示す緊急イベントに多くの人々が参加した。

 

・日本政府は率先してクラスター爆弾廃絶を
グローバル・ウィーク・オブ・アクション@原宿
 グリーンアクションさいたま 寺本貴

 コスプレや黒服のロックバンド・ファンが集まる東京原宿の神宮橋に掲げられた「STOP CLUSTER BOMBS」のバナー。カラフルな風船の飾り付けに立ち止まる人も多い。
 11月2日、東京でクラスター(集束)爆弾廃絶を訴えるイベント「グローバル・ウィーク・オブ・アクション」が行われた。世界中の市民がクラスター爆弾廃絶を同時に訴える企画で、オスロで12月3日に行われる「クラスター爆弾禁止条約」調印式に向けた取り組みだ。JCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)、ピースボート、グリーンアクションさいたまなどの有志がパネル展示や署名活動を行った。

 

 ・埋め立て地に森を育む「海の森」秋の植樹イベント
 水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部 吉永一矢

 かわうそ倶楽部は11月8日、「海の森」秋の植樹イベントに参加した。「海の森」は東京湾のゴミ埋め立地を森に変えていく東京都港湾局のプロジェクト。行政・都民・企業・NPOの協働で行われる。

 

  Interview(6~7面)

・中国はなぜチベットの独立を恐れるのか
揺らぐ巨大多民族国家のアイデンティティ
 加々美光行さん 

 11月初め北京で、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使と中国当局者との間でチベット自治区をめぐる協議が開かれた。しかし中国側はダライ・ラマ側の求める自治権拡大を拒否。なぜ中国はチベットに対して強硬な態度をとるのか。愛知大学現代中国学部教授の加々美光行さんに聞いた。

 

   International(8~9面)

・民営化で溶融する国家機能
超大国アメリカが抱える本当の危機 

  『CommonDreams』7月28日号に掲載されたチャルマーズ・ジョンソン氏によるアメリカ軍産複合体への批判を紹介。同氏は米国内の民間シンクタンク「日本政策研究所」所長。数多くの著作があり『アメリカ帝国の悲劇』(新潮社)などが邦訳されている。(訳 水澤努)

 

  Review (10面)

・『空の帝国 アメリカの20世紀』(生井英考著 講談社)
軍産複合体に支配された世界最強の軍隊
その出発点には真珠湾のトラウマがあった
 野本陽吾

 私は神奈川県・相模原市南部に住んでいるが、日頃から米軍機の騒音に悩まされている。まさにアメリカに空を支配された、不愉快極まる日常だ。
 そんな私だから当然にも、書店の歴史コーナーに平積みされたこの本の題名を最初に見たとき、まずはイヤな気分になった。アメリカ賛美の本だと思い込み、手に取って開いてみることもなかった。しかしその後もあちこちの本屋さんでこの本を目にし、ちょっとだけページをめくってみた。どうやら9・11テロ後に強行したアメリカの戦争には批判的な内容らしい。
 著者の生井英考氏の専門は「視覚文化論」。時代ごとにアメリカの雑誌グラビアや徴兵ポスターのデザインを紹介しながら、「飛行機」「軍隊」「戦争」に対するアメリカ人の感覚の変化を追いかけていく内容だ。

 

  Close Up(11面)

・八ツ場(やんば)ダムの底に沈む川原湯温泉
800年の昔から人々を癒した湯が失われる
 新田乙絵

  「草津よいとこ一度はおいで」の草津温泉は有名だ。
 ここ草津の温泉治療で硫黄の刺激を和らげる仕上げ湯のひとつに、川原湯(かわらゆ)温泉がある。源泉は貴重な自然湧出で、泉質が石膏硫化水素泉のため、心地よい湯の香りがし、肌触りがとてもいい湯だ。しかし、この見事な温泉がダムの底に沈む予定だと聞けば、温泉好きでなくてもショックを受けるだろう。
 群馬県吾妻郡長野原町の美しい吾妻渓谷とその周辺の川原湯温泉は、八ツ場ダム建設計画で水没予定とされている。ダムが計画されたのは1952年。半世紀過ぎても、未だダム本体工事は着工されていない。3年前にこのことを新聞で知り驚いた。群馬出身の私は、子どものころから「やんば」の名前を聞いて育った。ダムはとっくに完成したと思い込んでいたのだ。
 さらに昨年12月、国土交通省は5年の工期延長を発表し、完成予定は2015年度末となった。延期はこれで2回目。はたして、本当にダムは必要なのだろうか?