NPOフォレストアドベンチャーを見学 水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部 松浦雅明
自然共生型アスレチックで森を再生
中央自動車道河口湖線の河口湖インターを降り、車で10分、富士山麓の標高1100mの樹林帯にNPOフォレストアドベンチャーのアスレチック施設がある。フォレストアドベンチャーは、フランスで始まった森の中のアスレチック。自然の立ち木をそのままコースに利用する。
今回はかわうそ倶楽部の呼びかけによるエコツアーで、森林保全を見学するのが目的。10月5日、約20人が午前10時半に現地集合。まずはアスレチックを体験した。
最初にカラビナとプーリー(滑車)の付いたハーネスを装着。簡単なレクチャーを受けスタート。木の上に作られた足場であるプラットホームに登り、別の木に移動する。最高地上14mを通る約2時間ほどのコースだ。
ロープ1本で高さ10mからターザンのように15m先の網に飛び付く。100mの長さのワイヤをプーリーで滑り落ちる。プラットホームから飛び出すのには、ちょっとした勇気が必要だ。
しかし最初は緊張した面持ちだった参加者も、高さに慣れてくると笑みがこぼれてきた。最後は無事、全員がゴールした。
森林浴をしながら昼食と自己紹介。参加者は「とても楽しかった。また来たい」「長時間高いところにいたから緊張した」「木の上から見えた富士山はきれいだった」と語り、おおむね好評だ。
フォレストアドベンチャーは、富士山麓以外にも沖縄、奈良、千葉の全国4ヶ所にある。富士山麓で保有する樹林帯は15ヘクタールに及び、うち1ヘクタールがアスレチックだ。
理事の金丸一郎さんは、「私はもともとゴルフ場などのリゾート開発会社にいた。フランスに行き森林の中にあるアスレチックを体験し、おもしろいと感じ、日本でも始めた」「最初は利益をあげたいと思っただけで、森林保全が目的ではなかった。しかし、周辺の森が荒れたままだとお客さんは来てくれない。人工林である赤松等の間伐を行い、森林保全にも取り組んできた」と語る。
全国各地の山林同様、富士山麓でも人工林は長い間放置されてきた。枝打ちをしていない人工林の木は、節が多く木材としての価値も低い。
「当初は5人のスタッフで年間1000本の間伐をした。でも間伐材は4トントラックで運んでも数万円にしかならない。輸送費や人件費を考えれば利益にならない。薪にするのが精一杯。あとは腐食するのを待つのみ」
林業としてはとても成り立たないが、フォレストアドベンチャーならば森林を楽しみつつ荒れた人工林を維持・管理していける。2005年度と2006年度、林野庁の森業山業創出支援事業にも採用されており、林業に代わる森林保全のオルタナティブかもしれない。
かわうそ倶楽部では日頃、東京の奥多摩地域で水源林の間伐や下草刈りを行ってきた。人工林の新しい管理方法の一つとして、フォレストアドベンチャーから学ぶことは多い。
