講演会「ごみは環境の基本・埼玉県のごみは今」 グリーンアクションさいたま 廃棄物問題プロジェクト 山淵藍
大量廃棄を前提とするゴミ処理は限界だ
10月5日、埼玉県の熊谷文化創造館で、講演会「ごみは環境の基本・埼玉県のごみは今」が開催された。会場には約100名が集まり大盛況。講師は物理学者の広瀬立成さん。
広瀬さんは「地球上のあらゆる活動は資源を取り込み、仕事を行い、廃棄物を出すしくみになっている。ごみについて考えることが持続性を考える上で最も大切」と語る。
日本には世界の3分の2の焼却炉が集中し、2500箇所の最終処分場があり、一人当たり年間1万8千円がゴミ処理に使われている。しかしゴミは燃やしてもなくならない。
「焼却に偏った日本のゴミ行政は税金で使い捨てを推進しているようなもの。自然のものは自然に返し、人工ゴミは減らすしかないのが鉄則だ」
広瀬さん自身が参加した町田市での取り組みも紹介。2006年町田市では市長の基本方針「ごみになるものを作らない・燃やさない・埋め立てない」の下、ごみゼロ市民会議が発足。リサイクル広場の実施、生ゴミの処理、日本発のスーパーでのレジ袋廃止が実現した。
リサイクル広場は市民が持ち込んだごみを10品目に分別。リユースのコーナーも併設して好評を得ている。生ゴミは堆肥化し、長野県川上村のレタス農場で利用。できたレタスを配布して成果が市民の目にみえるようにした。レジ袋廃止は、スーパーと市民の普及活動で実現。その結果、バッグ持参率は90%に上昇。ただし売り上げが5%低下しており、今後の対応を検討しているという。最後に広瀬さんは「無理だという前にまず市民が行動することだ」と呼びかけた。
講演後、埼玉県の市民グループが登壇。「埼玉西部 土と水と空気を守る会」の森斌さんは、埼玉県にある産廃処分場の現状を報告。ここ10年間埼玉県は産廃の受け入れ量が全国1位で、県内で発生する一般廃棄物年間5千万トンに対し、産廃は年間4億9千700万トンとほぼ10倍となっている。市民がいくらゴミ減量の努力をしても処分場が減らない原因がここにある。
「彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば」の加藤晶子さんは資源循環工場の最終処分場について「15年で満杯になる計画だった。しかし18年を過ぎた現在、半分以上が残っている。にも関わらずなぜ次の埋め立て場所を作るのか」と2期工事への疑問を投げかけた。
施設は「首都圏ゴミゼロ都市化」計画において東京から出る産廃中間処理の場として位置づけられており、ゴミの大量流入を生み出している。そもそも工場の維持には大量のゴミが必要であり、循環型社会の理念とは矛盾するのだ。
会場内の展示スペースには各団体の力作が並ぶ。「ダイオキシン問題を考える市民の会」は川口市内の小型焼却炉の設置状況を掲示。「グリーンアクション・さいたま」は全国のガス化溶融炉のトラブルをまとめ、彩の国資源循環工場から排出された鉛が荒川へ流入する経路をジオラマで展示した。会場では人々の交流の輪が広がっていた。
