日本政府は12月オスロで必ず署名を

 10月24日、地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)主催のシンポジウムが、文京シビックセンターで開催され、グリーンアクションさいたまのメンバーもボランティアとして参加した。

 12月3日オスロで行われる「クラスター爆弾禁止条約」調印式に向け、日本政府が署名・批准するよう働きかける企画だ。シンポジウムの前半、作家で精神科医のなだいなださんが基調講演。後半は国吉美千代さん(琉球新報記者)、神浦元彰さん(軍事ジャーナリスト)、清水俊弘さん(JCBL運営委員・JVC事務局長)、目加田説子さん(JCBL運営委員・中央大学教授)によるパネル・ディスカッションが行われた。

 なださんは「トリアエズ主義の平和論」と題して講演。「私は80歳になります。戦争中はどちらかといえば軍国少年。戦後は平和のために何かできないかと行動してきた。『9条守れ』『平和憲法守れ』と言っているだけで平和になるわけがない」「『恒久平和』をめざすのは大事だが、今は〝とりあえず〟できる事をするしかない。その一つが兵器をなくすこと。クラスター爆弾の禁止は評価に値する。人道主義という琴線に触れる取り組みには可能性や力がある」と訴える。

 パネル・ディスカッションで、元自衛隊員の神浦さんは軍事面からクラスター爆弾の問題点を指摘。「2年前までは、私もクラスター爆弾は上陸侵攻への抑止力として有効だと考えていた。しかし2006年のイスラエルによるレバノン南部攻撃で使用を禁止すべきだと思った。あの作戦では25%が不発弾。イスラエルは投射角度を変えたりして、わざと不発弾を増やし人が住めないようにした」と批判した。

 国吉記者は、沖縄県嘉手納市に住みながら同市域の87%を占める米軍嘉手納基地を取材している。昨年9月「琉球新報」で、在日米軍が沖縄周辺海域の射爆場でクラスター弾の実弾演習を行っていることを報じた。「米軍は記事事実を認めたものの、詳細は答えていない。禁止条約が採択された今年5月以降、クラスター弾搭載機は目撃されていないが、今後とも米軍の動きを注意深く追っていきたい」。

 JVCの清水さんは「クラスター爆弾禁止条約は30番目の国が署名して半年後に発効する。12月3日のオスロで日本を含む30カ国以上の署名を実現したい。それに向けCMC(クラスター兵器連合)では、市民条約への署名を世界中に呼びかけている」とアピール。さらに対人地雷禁止における日本政府の貢献が、除去技術の研究・開発に偏っていることを指摘。犠牲者支援に力を入れるよう働きかけていくことを訴えた。

 最後に、司会を務めた目加田さんが「福田さんから麻生さんに首相が代わり、署名するかどうか予断を許さない。クラスター爆弾禁止条約は完全なものではなく、〝とりあえず〟決めたもの。例外となった子爆弾10個未満のものなど全てが対象になるように、今後も活動していきたい。対人地雷同様、不参加の米国やロシアなどが実際上使用できないようにしていこう」と締めくくった。

 JCBLでは、12月3日の調印式にむけてCMCが行う市民条約への署名をWeb上で呼びかけている。一人でも多くの方が署名し、その声がオスロに届くようにご協力お願いします。詳しくは地雷廃絶日本キャンペーンのホームページ(http://www.jcbl-ngo.org/)まで。

クラスター爆弾禁止条約の署名・批准に向けたシンポジウム