何かを作り出す最初の一歩として

 埼玉県所沢市の航空記念公園で8月17日、野外イベント「そら祭り」関東が開催された。〝「自然」「人」「場所」をつなげよう〟を合い言葉に、学生など若者の有志が集まり、試行錯誤を経て開催へとこぎつけた。時折雨が激しく降るあいにくの天気にも関わらず、多くの人が訪れ、様々なアーティストがライブを行った。

 会場では、フェアトレードショップ、マイ箸と箸袋の販売店、エイズ問題の啓発団体、所沢で雑木林の保全に取り組む「おおたかの森トラスト」、所沢名産のさといもで作った焼酎を販売する所沢商工会議所など、多彩なブースが立ち並ぶ。協賛の「土遊野」農場は、富山県で自給自足の農業に取り組んでおり、養鶏や米作りの様子を紹介する写真を展示。

 主催者の丸山茂樹さんは27歳。音楽活動をしながら日本全国を旅したことが「そら祭り」開催の原点だ。「色々な場所での人との出会い・つながりが、人を変えるきっかけとなる。そんな機会をみんなで作り出したい。昔は田植えをしながら歌をうたい、何でもない場所がコンサート会場のようになった。普段の日常生活の中で使う『言葉』ではなく、『音楽』を奏でることによって、非日常的な刺激をもたらす。そのことが〝市民コミュニティの活性化〟につながる」と語る。

 「そら祭り」は、昨年は兵庫県のみだったが、今年は趣旨に賛同した人々が札幌や宮崎など各地で開催。環境問題を織り交ぜ「祭り」を現代風にアレンジして復活させる試みは、商工会議所の後援などを受け、地域にも受け入れられている。

 関東での開催を企画した加藤哲明さんは、インドネシアに留学中にジャワ島の大地震に被災した。救援活動を行う中、様々な経験をしたことが今回の企画につながった。

 「東京に住んでいて思うのは、これだけ人がいるにも関わらず人間関係が希薄なことです。なんとか横のつながりをつくりたい。多くの若い人は、漠然と環境問題などを考えていますが、一歩踏み出すことがなかなかできない。音楽やブース出店などを入り口に、何かを作り出すことができればと思っています」

 舞台では「R―TASTe」が、よさこい踊りをアレンジ。参加者やスタッフも一緒に踊り、盛り上がる。歌手のyaeさんは、「半農半歌手」として農を取り入れた生活を送っている。父親の藤本敏夫さんが有機農業に取り組んでいたことに触れ、「父は亡くなりましたが、色々なところにタネを蒔き、このようなイベントの開催として実を結んでいます」と語り、葬儀の時に歌った「花よ風よ」を披露。雨の中、澄んだ歌声が響いていた。

「そら祭り」関東