沖縄は日米地位協定の抜本的改正を求めている

 3月23日、沖縄。カッパを着て傘をさしてもずぶぬれになるほどの土砂降りの中、北谷町野球場公園で「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」が開催された。

 参加者は主催者発表で6000人。雨を避けて会場の外に停めた車の中や、すぐそばの大型スーパーで雨宿りしながら発言に耳を傾けている人も大勢いた。お年寄りや、小さな子ども連れの家族がやむにやまれぬ思いで参加したのだ。

 冒頭、玉寄哲永・実行委員長は、「県民の意を汲むべき県知事が不参加であることは許しがたい!」と厳しく指摘。さらに暴行事件の被害者へ誹謗中傷が行われたことを非難し、「責められるべきは加害者であり、これは人権問題だ。この大会を人権を保障させる運動の第一歩としよう」と力強く提起した。

 野国北谷町長は、大会会場は元々米軍基地であったこと、その返還を先輩たちが実現させたと訴える。しかし北谷町はいまだ米軍基地が町域の53%を占め、米軍人が一番多く住む。「基地外に住む米軍人は住民登録もしておらず、役場でも把握していない。まちづくりもできない」と、日米地位協定の抜本的改正を求めた。

 「県民の人権、女性、子どもを守れない日米安保とはなんなのか? 市長として、市民を守るにはどうしたらよいのかを深く考え、複雑な思いで参加した」と語る東門沖縄市長。「日本政府は国家の責任において国民を守らなければならない。不平等極まりない地位協定の『運用改善』では県民・国民の生命、財産を守ることはできない。基地負担を減らすよう粘り強く訴えていく」と呼びかけた。

 三宅弁護士は、全国の米軍基地所在県の弁護士会に地位協定改定を求める連絡会の立ち上げを呼びかけていると報告した。

 米兵にレイプされたオーストラリア人女性が登壇。怪我は治っても、心の傷は永遠に消えないこと、事情聴取により何度もつらい体験を話させられるなど、警察からも二次被害を受けたことや、十分な手当てを受けられなかったことを語った。「日本は戦闘地域である。女性と子どもの戦いは続いている。なぜ政府は助けてくれないのか、なぜ被害者が闘わなければならないのか? 被害者は何も悪くない!」との言葉に、私は胸を締め付けられた。

 最後に、地位協定の抜本改正や、米軍による県民の人権侵害を根絶するための実効ある行動を求める等の決議を拍手で確認した。

 今年2月に起きた米兵による中学生のレイプ事件の直後、在沖米国領事が謝罪し、駐日大使や在日米軍司令官が県知事に遺憾の意を表明した。しかし「綱紀粛正」「再発防止」の言葉が繰り返されるばかりで、相変わらず米兵によるレイプや飲酒運転、民家への不法侵入は続いている。横須賀でもタクシー運転手が殺害された。

 沖縄の事件後、高村外相は早々と「地位協定の見直しはない」と表明した。政府は本気でこの状況を変えるつもりがない。

 いつまでも米軍基地を沖縄に押しつけている現実を変えたい。そんな思いを胸に会場を後にした。

米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会