Actio 1266号(2008年4月25日発行)
CONTENTS
Topics(1面)
・チベットの宗教的・文化的アイデンティーを蹂躙する中国政府
武力弾圧と人権侵害に世界中で抗議の声が巻き起こっている
「チベットに自由を!」「チベットに人権を!」
4月13日、日曜夕刻の東京渋谷。キャンドルマーチの先頭で必死に訴えるのは、在日チベット人のドルマさん。彼女の両親は、チベット動乱最中の1959年ネパールへ亡命した。インドへ亡命したダライ・ラマ14世の後を追ってのことだ。
そこで生まれたドルマさんは、その後インド国内のチベット子ども村(TCV)で育てられた。TCVはダライ・ラマ法王の実の姉妹が、チベット難民の子どもたちのために運営してきた施設だ。
5年前、日本に住んでいたお兄さんを慕って来日したドルマさん。必死に日本語を勉強し、介護福祉士の資格も取得した。「私たちは自分の国が存在しない難民です。ダライ・ラマ法王が亡命して既に50年近く経っています。その間チベットでは中国政府による抑圧が続いてきました。このままではチベットの宗教や文化が死んでしまう。本当に緊急事態なんです」。
Activity(2~3面)
・いのちの温もりにささえられて生きる
有畜循環を目指す「土遊野」農場
車1台がやっと通れるほどの山道を抜けると、谷あいの川筋に沿って田畑が広がった。富山県富山市(旧大沢野町)の土(ど)集落。ここで「土遊野」農場を営む橋本秀延さん・順子さんご夫妻を訪ねた。
アイガモ農法による4ヘクタールの田んぼ。800羽の平飼いの養鶏。他にも蕎麦や小麦、ホウレンソウなど40種以上の野菜などを育てている。全て化学肥料・農薬不使用栽培だ(米は有機認証取得)。自給自足を基本に鶏の飼料となるデントコーンも栽培。野菜くずやもみ殻と一緒に与え、鶏糞は肥料として田畑にすきこむ、完全な循環式農業。
土集落に定住するのは、橋本さん一家だけ。いわゆる「限界集落」の一つだが、農場には県内外から多くの若者が訪れる。何が若者をひきつけるのだろうか。
・詩作を通じて人や社会とつながりたい
ひとりひとりが自分の声とことばを
ウチダゴウさん
圏央道高尾山トンネル工事に反対して多くの人が訪れる「和居和居デッキ」。そこでちょっと変わった詩の授業をしたウチダゴウさん。1月に行われた八王子市長選ではトンネル工事反対派の新人候補を支援、「高尾山にラブレターを贈ろう」のキャッチコピー創造とチラシデザインなどで活躍した。
Reports (4〜5面)
・あまりにズサンで強引なやり方に高尾山が怒った
トンネル工事のために土地収用に乗り出した国交省
虔十の会 坂田昌子
3月26日、国土交通省は圏央道(首都圏中央連絡自動車道)高尾山トンネル南坑口のトラスト地の強制収用作業を強行した。これに対し「虔十の会」や「地権者の会むささび党」をはじめ約80名が抗議。
「虔十の会」は今年2月からトラスト地に「和居和居デッキ」を設置し、「座っていいとも、工事だヨ、全員集合!」とアピールして座り込みを続けている。抗議には前日からデッキに泊り込んでいた人たちも参加した。
・沖縄は日米地位協定の抜本的改正を求めている
米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会
グリーンアクションさいたまピースアクションチーム 星野歩
3月23日、沖縄。カッパを着て傘をさしてもずぶぬれになるほどの土砂降りの中、北谷町野球場公園で「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」が開催された。
参加者は主催者発表で6000人。雨を避けて会場の外に停めた車の中や、すぐそばの大型スーパーで雨宿りしながら発言に耳を傾けている人も大勢いた。お年寄りや、小さな子ども連れの家族がやむにやまれぬ思いで参加したのだ。
・本土からも基地NO!の叫び
沖縄での米兵によるあらゆる事件事故に抗議する名古屋集会・デモ
今井俊政
3月23日、名古屋市栄のバスターミナル前の広場において、「沖縄での米兵によるあらゆる事件事故に抗議する名古屋集会・デモ」が行われた。同日沖縄県北谷町で行われている沖縄県民大会に連帯するもので、NoBase辺野古☆名古屋や命どう宝あいち、有事法制反対ピースアクションなどの呼びかけのもと、60名が参加した。
・針広混交林の育成を
エコロジー村で山桜とコナラの植樹
かわうそ倶楽部 松浦雅明
3月23日、東京・八王子恩方のDAIGOエコロジー村で、50本近くの植樹が行われた。
東京都の「花粉発生源対策事業」としてエコロジー村では、2月から0・5haの針葉樹林を伐採。3月中旬には、伐採がほぼ終了していた。
朝9時に集まったエコロジー村会員と「水と森の保全を考える かわうそ倶楽部」の総勢15人は、さっそく広葉樹の植樹に取り組む。樹種は山桜が20本、コナラが30本。
Interview(6〜7面)
・新自由主義は日本を貶斥(へんせき)社会に変えた
グローバルな共感は新しい「幸福」を生み出す
橋本努さん
世界的な規模で経済格差は拡大し、これに反発する人々の間には宗教的原理主義が台頭している。新自由主義=ネオリベラリズムは、こうした深刻な問題の元凶として批判にさらされることもある。新自由主義のどこが問題なのか、もうひとつの世界は可能なのか。北海道大学の橋本努さんに聞いた。
International (8面)
・UNEP(国連環境計画)発行『OUR PLANET』より
環境を破壊する者が環境保全の資金を負担する 炭素税により排出削減を実現したノルウェー
前号に引き続き、UNEPが年5回発行する機関誌『OUR PLANET』の最新号から紹介する。著者のクリスティン・ハルヴォーセン氏は左派社会党の党首で、結党以来初めて2005年に入閣を果たした。(訳 水澤努)
Review (9面)
・映評『ビルマ、パゴダの影で』(アイリーヌ・マーティー監督作品)
余りに過酷なビルマ少数民族の現実
子どもたちに笑顔がもどる日を信じたい
杉村憲次
私の職場で働くビルマ人。彼は軍政下の本国で地下に潜り、民主化運動に携わっていましたが、逮捕・拷問され、5年間の獄中生活を強いられました。
出獄後再度地下に潜り活動を継続していたものの、身辺に捜査の手が及んできたのを知り、「今度逮捕されたならもう命は無い」と思い出国。日本へ亡命してきたのです。
ポンさんと呼ばれている彼の本名は、ポーン・ミン・トゥン。『Actio』2月25日号掲載のインタビューに登場した全ビルマ学生連盟日本支部長です。その彼が、是非観て欲しいと薦めてくれたのが映画『ビルマ、パゴダの影で』。
・『Sleep Through the Static』(ジャック・ジョンソン)
太陽にとろけた海が奏でるオーガニックなサウンド
虎田五郎
この作品のレビューを『Actio』に投稿するのは理由がある。サーフミュージックの第一人者ジャック・ジョンソン4作目(サウンドトラックを入れると5作目)のアルバムは100%ソーラーエネルギーでレコーディングされている。彼は熱心な環境活動家なのだ。
Close Up (10~11面)
・改定版「京都議定書目標達成計画」の本音は原発推進
放射能は温室効果ガス以上に人類にとって脅威だ
ツーリング洞爺湖2008 渡瀬義孝
3月16日、宮城県仙台市で開催された「海に空に放射能を捨てないで!―STOP!再処理本格稼働」には、東北各県や全国から500名近い人々が集まった。
私たちツーリング洞爺湖2008も、茨城県東海村を起点に約280キロの自転車ツーリングでこのイベントに参加。夕方仙台市内のウォークに出発する直前、主催者の好意で仲間がアピールした。
冒頭「東海村から280キロ自転車で走ってきました」と報告すると「オーッ」とどよめきが。続けて「洞爺湖サミットでは温暖化対策が話し合われますが、日本は原発を温暖化対策の切り札にしようとしている。これを許さないキャンペーンとして、各地の原発立地地域をつなげながら洞爺湖まで自転車で走ります」とアピールし、大きな拍手で激励された。
洞爺湖サミットまで残すところ2ヶ月余り。残念ながら当初から私たちが指摘していた懸念は現実味を帯びつつある。3月28日に福田政権が閣議決定した改定版の「京都議定書目標達成計画」。政府は低炭素社会(Low Carbon Society)への移行を大義名分に、原発と再処理政策を全面的に推し進めようとしている。
・派遣やパートばかりが増える日本
情報管理はますます困難になる
戸坂零一(30代 派遣会社社員)
情報化社会の進展により、情報が想像以上の付加価値を生むものとなった。企業にとって情報管理は金銭管理と同じぐらい重要になっている。
私は派遣労働者としてIT関連の会社で働いているが、派遣先の職場では、情報媒体を職場外に持ち出すことが基本的に禁止されている。営業や部課長以上の人のみが例外的に持ち出しを許されており、ヒラ社員や派遣社員がフロッピー1枚でも無断で持ち出せば大問題となる。
会社が取引相手を選ぶ際も、情報管理がしっかりとおこなわれていることが前提となる。情報管理が不徹底な企業は、ダメ会社の烙印を押される。実際上の被害がほとんどない情報漏洩(未遂)でも、対外的に信用を失墜させたとの理由でクビにされる可能性もある。今までなら謝って済んだものが、大問題になってしまうのだ。
しかし情報管理が厳しくなっているのにもかかわらず情報漏洩(未遂)事故件数は増えている。なぜなのか?
