3月16日、仙台市情報・産業プラザ 多目的ホールにおいて六ヶ所村再処理工場の本格稼動に反対する集会「海に空に放射能を捨てないで!―STOP!再処理本格稼働」が開催され、東北各地や全国から約400名が参加した。

 主催は、「三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)」など、青森、岩手、宮城で再処理工場に反対する5団体。

 午前中は鎌仲ひとみ監督の最新作『六ヶ所村通信 No.4』が上映され、集会は午後1時15分に開演。企画責任者の広瀬剛史さん(わかめの会)が主催者挨拶した後、「三陸の海を放射能から守る岩手の会」世話人の永田文夫さんとジャーナリストの鈴木真奈美さんによる基調対談が行われた。

 鈴木さんはイギリスでの取材を踏まえ「セラフィールドの再処理工場周辺では、小児白血病の発症率が全国平均をはるかに上回っている。これから因果関係が明らかになっていくだろう」と報告。

 永田さんは、「アクティブ試験により再処理工場近くの尾鮫沼では、トリチウム濃度が自然界の2~4倍に上昇している。しかし日本原燃に質問してもきちんと答えてくれない」と安全性に疑問を呈した。

 続けて行われたパネル討論は、東北各地から発言者が登壇。石巻市からは、宮城県漁業協同組合十三浜支所運営委員会委員長の佐藤清吾さんが発言。佐藤さんは、「再処理工場の問題は未だ多くの人に知られていない。これはマスコミの責任が大きい。世界的に食料不足が心配される時代に、世界三大漁場の一つである三陸の海を放射能で汚染することなど許されない」と再処理政策を厳しく批判。

 花巻市で岩手県議会議員を務める高橋博之さんは、「国策を変えるにはすごいエネルギーが必要。しかし中国で一羽の蝶が羽ばたいたことで、アメリカでハリケーンが起きるバタフライ理論を知っていますか? とにかく諦めず住民が連携していくことが大切」と訴えた。

 「こどもたちの教育と未来を考える会」会長の須賀原チエ子さんは、岩手県宮古市から参加。「水口憲哉先生の講演を聞き大変驚いた。六ヶ所から放射能が出るなんてほとんどの人は知らない。とにかく事実をより多くの人に伝えたい」。

 青森県八戸市でショップ経営する武山拓さんは、自らサーフィンを楽しむ。「サーファーは海に感謝しているから海を守りたい。そんなシンプルな思いで反対の声が広がっている」。

 六ヶ所の隣町十和田市で有機農業に取り組む苫米地ヤス子さんは、「反対する署名は100万人近く集まった。署名した人がさらに5人の人に呼びかけて500万人集めましょう」と呼びかけた。

 東北各地では、生活やコミュニティに根ざして再処理に反対する運動が着実に広がっている。それを象徴する充実したパネル討論だった。実際岩手県内21の自治体では、再処理工場から出る放射能の規制を国に求める請願書が採択されている。

 アーティストのSUGIZO、サンプラザ中野くん、加藤登紀子、川田龍平参議院議員などからのビデオメッセージ、プロサーファーの木下デヴィッドさんの特別発言などを織り交ぜ、最後に青森県知事は本格操業の安全協定を諦結しないよう参加者全員で決議。

 続いて花京院緑地公園へ移動し、午後4時半からいよいよ仙台市内のウォークへ出発。ジャンベのリズムに合わせ、色とりどりの大漁旗やメッセージを記した横断幕をはためかせ市街中心部のアーケード街へ。道行く人たちはみな、立ち止まって注目している。

 日も暮れかかるころ、賑やかなウォークは午前中からプレライブが行われていた勾当台公園市民広場で解散した。参加者の多くはそのままキャンドル・アコースティックライブに突入。夜遅くまで続いた終日のイベントには総勢約500名が参加し、様々なかたちで再処理反対をアピールした。

 翌17日青森県庁を訪れた主催団体は、三村申吾青森県知事宛に集会決議文を提出し、日本原燃との安全協定にサインせず、再処理工場を本格稼働させないよう申し入れた。
 (詳細は本誌5面)

仙台市内アーケード街をウォーク

(1265号 2008年4月10日発行)