Actio 1265号(2008年4月10日発行)
CONTENTS
Topics(1面)
・海に空に放射能を捨てないで! 仙台市内でイベント
再処理工場停止を求めて500名が参加
3月16日、仙台市情報・産業プラザ 多目的ホールにおいて六ヶ所村再処理工場の本格稼動に反対する集会「海に空に放射能を捨てないで!―STOP!再処理本格稼働」が開催され、東北各地や全国から約400名が参加した。
主催は、「三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)」など、青森、岩手、宮城で再処理工場に反対する5団体。
Opinion(2~3面)
・スローライフは環境にも人にも優しい
炭は豊かな森林からの贈り物
水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部 松浦雅明
東京八王子の西部・恩方の山の中、もう深夜12時を過ぎた。窯の煙突口を塞いでしばらく待ち、通気孔にライターの火を近づける。その瞬間、暗闇に神秘的な白い炎が浮かび、「おーっ」と歓声が上がる。そして、しばしの沈黙。
窯内に充満した一酸化炭素ガスが燃えた炎だ。これが火を止める合図。竹炭が焼き上がり、これでやっと長い一日の作業が終了する。水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部が、ここDAIGOエコロジー村で炭焼きを学び始めて1年が過ぎた。
・ダム建設よりも水源となる森の整備を
奥多摩湖周辺の森林は荒廃している
清嶋康伸(30代 地質調査技師)
去年の師走上旬、小河内ダム周辺の地質調査のため奥多摩へ出張した。調査現場はダムによってできた奥多摩湖の湖畔道路上側と下側の急斜面。周辺に民家は殆どなく、民宿やドライブインが疎らにあるだけの場所だ。
急斜面には下草は殆ど生えておらず、杉の落ち葉がわずかに被さっているだけ。そのため表土はとても軟らかく、歩くたびに土塊が崩れ、重いボーリング機材を担いで運ぶのは困難を極めた。おまけに細い杉の木が密集しており、特に長い物を運ぶのは至難の業だ。機械を運びながら、「この山は間伐などの手入れが進んでない人工林の典型だな」と思った。
Reports (4〜5面)
・開戦から5年 イラクでの混乱は続いている
占領下の過酷な状況をイラク自由会議女性局長フリヤル・アクバルさんが報告
グリーンアクションさいたま 元木菜々子
3月9日、国際女性デー(3月8日)の一環として、アメリカ軍占領下のイラク報告会が、東京・大田区生活センターで行われた。報告を行ったのはイラク自由会議(IFC)女性局長フリヤル・アクバルさん。主催は「3・9フリヤル・アクバクさんとのつどい実行委員会」で、80人ほどが集まった。
・物資の不足と混乱で乳児死亡率が急上昇
イラク攻撃からもう5年! STOP THE WAR 3・20国際行動inなごや
戸川まさえ
3月20日、名古屋市白川公園で「STOP THE WAR 3・20国際行動inなごや イラク・アフガニスタンに平和を!」集会が行われた。主催は「STOP THE WAR 3・20国際行動inなごや実行委員会」。集会・ピースウォークと講演会の2部構成だ。
・自治体は住民の健康を守らないのか
青森県知事に再処理工場の安全協定を認めないよう申入れ
わかめの会 野村拓人
3月17日、「三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)」など青森・岩手・宮城の5団体が、再処理工場の操業に必要な安全協定を結ばないよう青森県に申し入れた。
前日に、仙台で開催された「海に空に放射能を捨てないで! STOP!再処理本格稼動」集会での決議文を手渡すため、午前6時半に仙台市からバスで出発。
バスの中では、首都圏や京都から参加した人たちを含めてそれぞれが再処理に対する考えを語った。青森市内に到着後、岩手や青森の人たちと合流。50人近い参加のなか青森県庁前の青い森公園で事前集会を行う。
・国際基準の環境アセスでジュゴンの海を守ろう
沖縄ジュゴン訴訟報告会 東恩納琢磨さんを囲んで
グリーンアクションさいたま ピースアクションチーム 星野歩
3月15日、中野ZERO西館にて「ジュゴンイラスト・写真展―沖縄ジュゴン訴訟報告会 東恩納琢磨さんを囲んで」が開催された。主催はジュゴン保護キャンペーンセンター。会場にはジュゴンのイラストや、大浦湾のさんご礁の写真が展示された。
・東京から反核の声を広げよう
ロッカショ再処理工場やめませんか? 反核DEMO
Interview(6〜7面)
・道路行政は民主主義の成熟度を示すバロメーター
本当に必要なのは車優先道路からの転換
松下文洋さん
国会では道路特定財源をめぐって議論が続いている。これ以上道路を造り続ける必要があるのか。道路行政に詳しい松下文洋さんに聞いた。
International (8面)
・『森林―その未来』(Forests – The future)UNEP(国連環境計画)発行『OUR PLANET』より
森林減少により温室効果ガスは20%増加
炭素市場に森林炭素を組み込む温暖化対策を
UNEPが年5回発行する機関誌『OUR PLANET』。毎号テーマが変わるが、今年2月に発行された最新号のテーマは「Maintaining Momentum(気運を維持する)」。この号に掲載された記事「Forests – the future」を紹介する。著者は環境保護先進国コスタリカの環境・エネルギー省大臣ロベルト・ドブレス氏。同国の国立公園・自然保護区の総面積は全国土の4分の1を超え、観光による外貨獲得は国内生産第1位を占める。ドブレス氏は炭素市場に森林減少対策による温室効果ガス削減を組み込むことを訴える。(訳 水澤努)
Review (9面)
・書評『三里塚―成田闘争の記憶』(三留理男 新泉社)
モノクロ写真が呼び覚ます懐かしき記憶
友と分かち合った熱き日々が極彩色で蘇る
宮猫之助
携帯電話会社のCMソングを聞いていて気づいたのだが、たとえば、遠距離恋愛をしていて、寂しさを日々の忙しさでごまかしていたら相手を忘れかけていたとする。その相手が目の前にいきなり立っていた。そんな気持ちに似ていた。この写真集を見たとき、正直、僕は困惑した。
Close Up (10~11面)
・自給率39%の日本を襲ったギョーザ・ショック
病院給食も輸入食品に依存している
横尾佐和(30代 栄養士)
ある日の夕方、ニュースを見て仰天した。中国製冷凍ギョーザへの殺虫剤混入事件。なんと混入商品は拡大し、大騒ぎになっていた。
私は都内病院の栄養士だが、病院給食でも中国製冷凍ギョーザを使用している。ニュースを聞いた翌日、出勤して早速食品納入メーカーに問い合わせた。幸い私の病院で使用している食材に該当商品はなかった。メーカー側は、問題の天洋食品が製造した加工食品を一覧表にして各施設に発送するとのこと。事務長に報告し、ひとまず一段落した。
・日本全国で無駄なトンネル工事が行われている
住宅地のわずか13m下を走る二葉山トンネル
山上達也(40代 障害者作業所職員)
中国地方唯一の100万人都市である広島市。今、ここで高速道路網の建設が進んでいる。中でも5号線は、広島駅そばの二葉山を貫くトンネルが計画されており、深刻な環境破壊と住民被害が心配されている。
高速道路建設によって広島駅と広島空港の間は7分短縮されるが、約4㎞の工事費は1000億円前後。それらのほとんどは借入金で、開通後料金収入が足らず広島高速道路公社が借金返済できない場合は、広島市が返済を肩代わりする。現時点でさえ5号線の収益の目処は立っていない。
東京都の圏央道建設も莫大な工事費がかかっている。高尾山のトンネル掘削によって豊かな自然への影響も出ている。岡山に住む私にとって広島は比較的身近な場所だ。道路開発が環境にどのような影響をもたらすのか。実際に現地を訪ねてみた。
