高尾ツリーダムイベント 春の兆しいっぱいのひな祭り エコアクション虔十の会 坂田昌子
3月2日、東京都・高尾山の高尾ツリーダムは、一日早いひな祭りを楽しむ子どもたちでいっぱいとなった。
朝10時、「春をみつけようお散歩ガイド」がスタート。日陰沢林道は先日降った雪がまだ残るものの陽射しは暖かい。暦の上ではもうすぐ啓蟄(けいちつ)。土の中の虫たちが春を感じて動き出す季節だ。沢沿いの落ち葉をそっとかき分けると、ニリンソウの小さな芽が可愛く並んでいる。3月末に花開くニリンソウを想像し、「絶対もう一度来よう!」と口々に話す。沢沿いの岩には小さなハナネコノメ草。つぼみをたくさんつけており、中には2~3輪咲いているものもある。
視点が低い子どもたちは、様々な物を発見。藤の種、ねむの木の豆殻、リスやアカネズミがかじったクルミなど。次々に「これなあに?」とたずねてくる。沢沿いの苔、樹が分解され土に還ろうする様子も観察。大人たちまで「こんなふうに自然を見るのは初めて。いままで気づいてなかった」と夢中だ。
ガイド役の私は、「森の樹が成長する時、命を終えて土に還っていく時、いつも水の力が必要です。水がめぐる山はとても健全。高尾山のお腹に穴を開けたら、地下水が流失して山はどんどん渇いてしまう」と解説。子どもたちは「山がかわいそう…」と嘆く。
春の兆しをいっぱい見つけたところで、そろそろお腹がペコペコ。ツリーダムへもどると、ひな祭り料理がずらっと並べられている。色鮮やかなちらし寿司、高尾の湧水で作られたがんもどき、ひし餅ゼリー。みんなおおはしゃぎだ。
食べ終わったら、雛あられ作りの開始。生のもち米や余った冷や飯を乾かし、砂糖で味付けして揚げるだけ。子どもたちは口いっぱいに頬張り、満面の笑顔で「もっと作る~」。市販の雛あられよりずっと美味しい。
料理がきれいにお腹に収まったら今度はライブ。高尾山トンネル工事現場前の座り込み「座っていいとも!工事だヨ、全員集合」に参加しているシンガーソングライターのかぜよしさんが登場。かぜよしさんが唄い出すと、ワイワイ騒いでいた子どもたちが真剣に聞き始める。足でリズムをとったり、コップに雛あられを入れてシェイカー代わりに振ったりと可愛らしい。ひな祭りイベント終了後、工事現場前の座り込み現場に向かう親子連れもいた。
自然とふれあい、笑顔を振りまく子どもたちを見ていると、高尾山トンネル工事は、本当に取り返しのつかないことをしていると痛感する。自然は次世代からの預かり物。そのままの形で子どもたちに手渡したい。
