ベトナムの防空壕の中でわたしは生まれ変わった

 3月8日、千葉市生涯学習センターホールにおいて、「アレン・ネルソン トークin千葉」が開催された。主催はシビックアクション千葉と、環境活動家のきくちゆみさんが代表を務めるグローバル・ピース・キャンペーン。

 準備期間が少なかったにもかかわらず、210人が参加。

 司会のきくちゆみさんは、先日起きた沖縄での米兵による女子中学生レイプ事件に言及。日本のマスコミやネット世論で「少女にも責任がある」との心ない批判が起きたことを指摘した。

 次に講師である元米海兵隊員アレン・ネルソンさんはギター、ハーモニカを携えて登場。講演の前にブルースを歌った。

 講演でアレンさんは、次のように語った。

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 皆さんにはCNNやハリウッドが伝えるのではない、真のアメリカを知っていただきたい。それは、貧困のアメリカだ。

 私の母はシングルマザーだった。ニューヨークのブルックリンで育ったが、暴力があふれ、失業者、麻薬中毒者がたくさんいた。1965年高校中退後、海兵隊に入隊した。米兵は皆、貧しい家庭の出身だ。裕福な家庭の子は軍隊に入らない。戦場で殺し合いをしているのは、貧しい者同士なのだ。

 ベトナム戦争に行くことが決まっても、怖くはなかった。戦争映画をずっと観てきて、ヒーローが活躍することを想像した。13ヶ月間ベトナムに滞在したが、本当の戦争では誰もヒーローになれない。どんな手を使っても相手を殺す。

 戦争映画では戦争の臭いを表現できない。自分にとって戦争の臭いは、死体の腐敗臭、死体が焼けこげる臭いだ。

 戦地のベトナムで、私の人生を変える出来事があった。戦闘中、私は防空壕の中に逃げこんだ。その中で少女が赤ん坊を出産していた。私は生まれた赤ちゃんを抱いた。出産に立ち会ったことで、ベトナム人も人間だと分かった。自分は生まれ変わった。

 ある日、英文で書かれた日本国憲法を読んだ。憲法9条は大変美しく、力強く書かれている。9条はどんな国の兵器より強い。

 世界の平和はアメリカやヨーロッパ、国連から始まるものではない。ここに集まった一人ひとりから始まるものだ。

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 その後、会場からの質疑応答。「自国で活動への妨害や圧力はないか。怖くはないか」との質問。「盗聴など圧力を受けているが気にしていない。ベトナム戦争のときは武器に囲まれていたが、いつも恐怖のうちにあった。いま武器を持っていないが、恐怖はまったくない」とアレンさんは自信を持って語った。

アレン・ネルソンさん