彩の国資源循環工場周辺で川の生き物調査 グリーンアクションさいたま 蘇我畔太郎
水生生物に予想外の影響が出ている
2月23日、埼玉県大里郡寄居町にある「彩の国資源循環工場」周辺で市民団体による河川の環境調査が行われた。主催は寄居町の環境保護団体「彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば」と、県内で里山再生事業などに取り組む「グリーンアクションさいたま」。
今回の調査対象は3河川。工場施設内の調節池からの排水が流入する塩沢川、工場の影響を比較的受けていないと考えられる山居川、資源循環工場第二期事業が本格化した場合に汚染が心配される五ノ坪川だ。
調査方法は水生昆虫を指標生物にした生物調査とパックテストによる水質調査。水質は塩沢川が他に比べてと透視度が低いことを除くと大きな差異は確認できなかった。
生物相には違いが見られた。工場の影響を受けていない山居川と五ノ坪川では、オオシマトビケラやコガタシマトビケラなど比較的きれいな水に棲む生き物を多数発見。中には大変きれいな川にしか生息できないカワゲラなどもいた。
他方、工場の影響を受けている塩沢川ではアメリカザリガニやエラミミズ、セスジユスリカなどが多く観察された。これらは工場地帯や住宅地などの汚染がすすんでいる水域に主に見られる生物。本来ならば荒川上流の水源河川には見られない生き物たちだ。
今回の調査活動には、県立高校生物部の生徒が初参加。「こんなにはっきり違いが出るとは思わなかった。びっくりした」と語る。
そもそもこの工場は首都圏で発生した産業廃棄物の中間処理施設群。2005年6月から全てのプラントが本格稼動したが、3ヶ月後に中核プラントのオリックス社・ガス化熔融炉から基準値を上回る鉛が流出した。敷地内の土壌からはダイオキシンも検出された。
「資源循環工場と環境を考えるひろば」は松葉を使った大気汚染調査を実施。工場の本格稼動後に大気中のダイオキシンや鉛などの重金属類の濃度が急増していることが分かった。地元の地区、PTAからは子供たちの健康調査を求める要望書が県に提出されている。しかし現在までのところ何の対応策もとられていない。
そうしたなか生物指標を使った環境調査は今後も継続する予定だ。
