本格稼働に反対する声は全国に広がっている

 2月16日、仙台で「核燃料サイクルにもの申す!」再処理工場問題を考えるフォーラムが開催された。主催は六ヶ所再処理工場稼動阻止みやぎネットワーク。生協やNPO地球、「わかめの会」など、これまで再処理工場の問題に取り組んできた様々な団体のネットワークで、約200人が会場のハーネス仙台に集まった。

 今回の目玉は、河野太郎衆議院議員の講演。自民党議員でありながら再処理工場の稼動に反対している異色の政治家だ。

 河野氏は「政策」の観点から再処理について話し始める。1967年、原子力委員会は核燃料サイクルの実現を国策として目指す基本方針を打ち出す。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す核燃料サイクルは、エネルギー資源に乏しい日本では夢のエネルギーだと考えられた。しかしプルトニウムを燃やすための高速増殖炉は未だ実現しておらず、世界各国は次々と開発から撤退している。にも関わらず日本では同じ方針が続いている。

 「高速増殖炉の本格稼動は2050年の予定。使うあてのないプルトニウムを増やすだけの再処理工場はダメ。高速増殖炉が将来稼動するのならば、それに合わせて再処理を始めれば良い。今始める理由はない」

 河野氏は原子力発電に反対ではない。しかし先行きの見通しのない再処理は、少なくとも現時点では無意味だと断言。またマスコミの自粛報道にも苦言を呈する。「過去にテレビや新聞などで再処理に関する取材を受けたが、結果的に放送されなかったり記事にならなかったことが何度もある」。

 電力会社の広告宣伝費が大きな収入であるマスコミは、原子力政策を批判する報道はできない。一方で「自民党の中に私のような人間がいるように、経済産業省や電力会社、あるいはマスコミの中にも良識ある人はいる」とも語った。

 会場からは「たった当選4回のあなたが自民党のなかで1人で吠えても、一体何ができるんだ」との意見が出た。しかし「おかしいと思ったらたとえ1人でも言うしかないだろう。そんなことを言ってるからダメなんだ」と逆に一喝する場面もあり、彼の真剣さが垣間見えた。

 続いての講演者は東京海洋大学の水口憲哉名誉教授。『放射能がクラゲとやってくる』の著者だ。水口氏は最近の新聞報道をスライドで紹介しながら、サーファーや漁師を中心にした運動の広がりを取り上げる。

 再処理工場からの汚染が広がれば、最も被害を受けるのは海に密接に関わる人たちだ。多くの漁協が反対の声をあげ、サーファーの雑誌でもこの問題はカラーで特集された。都内で取り組まれた集会や署名提出などもスライドで紹介。各地で六ヶ所反対の運動が起きていること、それらの運動がつながっていることがわかる。

 「Nobody talks,nothing changes」「No nukes more hearts」。1月27日、日比谷公園内で同時に行われた集会のテーマだ。

 水口氏は講演の最後に「誰も言わなければ何も変わらない。この事実に気づいていない人々に知らせることをこれからも続けよう」と締めくくった。水口氏の言葉を胸に刻み、全国からの参加者は集会終了後も共に語り合った。

再処理工場問題を考えるフォーラム