Actio 1263号(2008年3月10日発行)
CONTENTS
Topics(1面)
・官尊民卑の自衛隊では国民を守れない
オンブズマン制度でシビリアン・コントロールの徹底を
2月19日午前4時過ぎ、千葉県南房総野島崎沖約40キロの海上で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」が衝突。7750トンの大型艦の衝撃により小さな漁船は真っ二つに切断され、乗っていた吉清治夫さん、哲大さん親子が行方不明となった。
「あたご」は1月に米ハワイ沖で迎撃ミサイル(SM2)発射試験に参加。母港舞鶴港に帰港する途中、神奈川県横須賀基地に立ち寄ろうとしていた。問題は、船舶の過密海域で当直士官らが事前に漁船団の存在を認識しながら、衝突1分前まで自動操舵を続け回避措置を採らなかったことだ。
Opinion(2~3面)
・ミシュランガイド三ツ星の高尾山
トンネル工事は豊かな生態系を破壊する
虔十の会・代表 坂田昌子
日本で一番小さな国定公園は、東京都八王子市の高尾山。圏央道のためにこの山の中腹に2本のトンネルを掘る工事が始まっている。工事により地下水が流失し、生物多様性に満ちた高尾山の貴重な自然が損なわれるのではないかと、地元では25年近くにわたり反対運動が続けられてきた。
住民は裁判などにも訴えたが、工事は判決を待たずに着手され、ついに高尾山本体に手をかけている。そして反対住民や市民団体が購入したトラスト地の明渡し期限、3月25日が迫っている。強制的な土地収用が行われるかもしれない。
迂回路の検討など一度もされないまま、しゃにむに推し進められる工事に抗議すべく、2月17日より虔十の会が中心となってトラスト地での座り込み運動を開始した。毎日入れ替わり立ち代り多くの人が参加し、トンネル工事に反対する人の輪は急速に広がっている。
Reports (3〜5面)
・座っていいとも! 工事だヨ!全員集合
2・17 座り込み用デッキを建設
(編集部)
東京都八王子市の圏央道(首都圏中央連絡自動車道)高尾山トンネル建設予定地。ここで2月17日、高尾山の保護を訴える「虔十の会」とトラスト地の地権者が集まって、トンネル建設に反対する座り込み用デッキを制作。土地の収用期限である3月25日が迫る中、「座っていいとも! 工事だよ、全員集合!チェーンアクション」が開始された。
・国と日本原燃は核燃料サイクルの見直しを
再処理やめなさい!、渋谷デモ
STOP! 劣化ウラン弾キャンペーン 久保田誠
海に空にかつてない量の放射能を放出する青森県・六ヶ所村の核燃料再処理工場。本格稼働が間近に迫る中、2月17日、東京・渋谷で「再処理やめなさい!2・17パレード」が行われた。「マスコミが取り上げられないのなら、私たちが直接訴えよう」との想いで大勢が参加。
・被曝による住民の健康被害は明らか
「JCO健康被害裁判 裁判の勝利をめざす決起集会」
市民講座はちどりの会 加藤邦幸
2月16日、茨城県東海村の舟石川コミュニティーセンターにて、「JCO健康被害裁判 裁判の勝利をめざす決起集会」が開催された。主催はJCO事故健康被害裁判を支援する会。最初に、会代表の坂本正誠さんは「判決が近くなっています。私たちは勝つものと信じている」と挨拶。
・落ち葉で堆肥を作る地域の伝統農法
くぬぎ山で恒例の落ち葉掃き
グリーンアクションさいたま 千葉宗作
2月17日、埼玉県所沢市の通称「くぬぎ山」雑木林内で、グリーンアクションさいたまによる恒例の落ち葉掃きが行われた。一週間前に降り積もった雪はすっかりとけ、コナラの落ち葉がびっしりと地面を覆っている。その落ち葉を一か所に集めて堆肥作りを目指す。
・急斜面での下刈り作業に汗を流す
「花粉発生源対策」として森林作業
水と森の保全を考える・かわうそ倶楽部 松浦雅明
2月17日、東京八王子のDAIGOエコロジー村で下刈りと伐採作業が行われた。主催は炭焼きのグループ、DAIGOエコロジー村。
・違法捜査の被害者が賠償請求
「河内誠・国家賠償請求訴訟」第1回公判
Interview(6〜7面)
・食と農の捉え直し迫るギョーザ事件
地域の農業を足場に食の安全を考える
大野和興さん
中国から輸入されたギョーザに農薬が混入し、大きな問題となっている。一方で日本の食糧自給率は低いままだ。食と農の問題についてジャーナリスト大野和興さんに聞いた。
International (8~9面)
・ブッシュ大統領政策アドバイザーが暴く石油減耗の真実
『ピークオイルへの反論にとどめを刺す』(Another Nail in the Coffin of the Case Against Peak Oil)
2005年、『投資銀行家が見たサウジ石油の真実(Twilight in the Desert)』を著し、サウジアラビア石油当局の猛反発を引き起こした人物がいる。マシュー・R・シモンズ(Matthew R.Simmons)だ。
プロフィールはエネルギー投資銀行シモンズ・アンド・カンパニー・インターナショナルのCEO兼会長、ブラウン・フォーマン社および米国大西洋協議会役員。
石油資源への深い見識と豊富なデータを基に、早くからピークオイル論を展開してきた。彼は全米石油審議会と外交問題評議会のメンバーを務め、ブッシュ大統領の政策アドバイザーでもある。
最近発表したこの論文でも、化石燃料依存からの脱却、持続可能なエネルギーへの転換を訴えている。(抄訳 水澤努)
Review (10面)
・書評『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』(ジョン・J・ミアシャイマー 、スティーヴン・M・ウォルト 副島隆彦(翻訳) 講談社)
イスラエル・ロビーに操られるアメリカ
タブーを破り国際政治の闇にスポットを当てた
世界の多くの人々は、善悪は別にして次の2つの命題を大方是認するだろう。
〈命題1〉アメリカは唯一の超大国であるから、アメリカ政府が世界で最も影響力のある政策を決定し、他国はそれに追随せざるをえない。
〈命題2〉イスラエルを支えているのはアメリカであり、イスラエルは中東におけるアメリカの手先となっている。
しかし、本書を紐解けばこれらの命題に大きな疑問を抱くようになる。〈命題1〉に関しては、確かにアメリカは超大国であり日本などを従属させる力はあるが、イスラエルには操縦されているのかもしれない。そうなると〈命題2〉は、イスラエルがアメリカの手先なのではなく、アメリカがイスラエルに利用されていることになる。
Close Up (11面)
・2008年G8サミットNGOフォーラム「NGOと政府の対話集会」
NGOの意見を反映させるには緊張感ある具体的交渉が必要
編集部 渡瀬義孝
2月19日午後6時半より東京都星陵会館で「G8 NGOと政府の対話集会」が開催され約250名が参加した。主催は「2008年G8サミットNGOフォーラム」。今年7月北海道で開催される洞爺湖サミットに市民社会の声を届けるべく、100以上の団体が参加して昨年から活動している。
近年サミット議長国政府は、事前に市民と対話の場を設けサミットで議論する内容にNGOの意見を反映する姿勢を示している。こうした流れのなか今年の議長国日本政府もNGOフォーラムの要請を受け、公開の場でNGOとの意見交換を行うことになった。
