ミサイルシステムは住民を守らない!

 1月29日午前、携帯メールの着信音。「PAC3搬入情報。明日午前3時搬入との一報あり」。

 神奈川県横須賀市、航空自衛隊・武山基地にミサイル防衛システム「PAC3」が搬入される。入間・習志野の両基地につづく第3弾だ。

 PAC3は莫大な防衛予算がつぎ込まれるが、基地や一部政府機能を守るだけだ。集団的自衛権に抵触し周辺諸国に脅威と受け止められる懸念もある。

 抗議の意思表示をすべく、翌30日午前1時半、エコアクションのメンバーと共に車で武山基地正門を目指す。すでに基地フェンス沿いを走る道路の両側は警察車両やフル装備の機動隊で埋め尽くされている。正門付近には、右翼団体らしき集団が「日の丸」20本ほどを林立。

 「もっと早く来ればよかった」と思いつつ、少し離れたコンビニでホッカイロなどを慌しく購入し正門へ向かう。

 近づくにつれ人の言い争う声が聞こえる。立ちはだかる警官隊の脇を迂回し、正門に到着すると、いつも反戦行動を共にしている知人がいきなり車道へ突き飛ばされてきた。「警官に羽交い絞めにされたと思ったら右翼に殴られた!」。「なんだお前たち。警察はあっちを取り締まれよ!」と怒号が飛び交う。

 さらに6〜7人がもみくちゃになって車道に出てきた。「神奈川平和運動センター」「基地撤去をめざす県央共闘」の人たちだ。2、3分前に正門前に来たら、いきなり警官隊と右翼に挟み撃ちにされたという。

 私たちはそのまま警官数十人に包囲された。彼らは「少し離れたところに他の反対派市民が集まっているから合流するように」と誘導しようとする。右翼側の占拠を黙認しながら反対派の市民を遠ざけるつもりだ。警察に抗議しながらもやむなく移動。正門から200m離れた歩道上に配備反対派が集まった。

 その後市民が続々と合流。午前3時までに80人ほどが集結した。「三浦半島地区労組」「非核市民宣言運動ヨコスカ」の人たちを中心に、基地に向ってアピールを始める。周りの住宅地に配慮し、音量をやや控えての抗議だ。

 午前3時10分、交通量の少ない道路に、パトカーに先導された大型車両の集団が姿を見せた。マイクの音量を一杯にあげ「PAC3の配備を許さないぞ」とシュプレヒコール。

 真っ黒な大型トレーラーがみるみる近づく。私たちエコアクションかながわのメンバーも、急ごしらえの「誰も守らないPAC3配備反対」のプラカードを掲げて車道に身を乗り出す。

 目の前を通過していったのは「PAC3」の発射台やレーダー、射撃管制装置など。装置と一体化した専用トレーラー5台と、ほかにトラック1台が、正門から次々と基地に入っていく。これでもPAC3ワンセットの約5分の1にすぎず、ミサイル本体も含まれていない。今後も断続的に搬入が続くはずだ。

 最後にあらためて基地正門に向ってシュプレヒコールを行い、深夜から早朝にわたる抗議行動を終えた。

未明の搬入にも関わらず大勢が抗議に集まった