Actio 1262号(2008年2月25日発行)
CONTENTS
Topics(1面)
・また繰り返された米兵少女暴行事件
それでもまだ沖縄に基地を押し付けるのか
米兵による少女暴行事件で、沖縄県民は島ぐるみで怒っている。米海兵隊の2等軍曹が女子中学生を襲ったのだ。95年に起きた3名の海兵隊員による女子小学生への暴行事件。8万5000人の県民が抗議し米軍は綱紀粛正の徹底を約束したが、またも同様の事件が繰り返された。
実は95年以降も米兵による性犯罪は相次いでいる。最近だけでも2002年海兵隊少佐が暴行未遂、04年米軍属による暴行、05年空軍兵による小学生への強制わいせつ、07年米軍人子弟による暴行致傷が起きている。
今回は容疑者が基地外に住んでいたため、沖縄県警は緊急逮捕できた。しかし基地内に住んでいれば、日本側が身柄を確保できる保証はない。「日米地位協定」を盾に米軍は身柄引渡しを拒否できるからだ。
Activity(2〜3面)
・やんばるの森にヘリパッドはいらない
亜熱帯の自然にかこまれたスローフードの隠れ家
ヘリパッドいらない住民の会(ブロッコリーの森を守る会)安次嶺雪音さん
沖縄本島北部の高江を走る県道70号線。やんばるの森へと入り込む脇道を1㎞ほど進んだ終点の谷間に、お茶屋『山甌(やまがめ)』はひょっこりと姿をあらわす。
店名の由来は、この谷間がちょうど「甌(かめ)」のようだから。一帯には亜熱帯の植物が生い茂り、国の特別天然記念物のノグチゲラや天然記念物のヤンバルクイナが生息する。誰もが「え、ここがほんとに日本なの?」と感じる空間だ。
・ドキュメンタリー映画『キチガイの一日』
「差別」を「差異」に変えていくチャレンジ
監督 山本明子さん
統合失調症の男性を主人公にしたドキュメンタリー映画『キチガイの一日』は、西日本各地で自主上映され話題をよんでいる。監督は岡山市の精神科診療所に勤める山本明子さん。一から映画作りにチャレンジした山本さんに話を聞いた。
Reports (4〜5面)
・ミサイルシステムは住民を守らない!
航空自衛隊・武山基地への深夜のミサイル搬入に抗議
エコアクションかながわ 野本陽吾
1月29日午前、携帯メールの着信音。「PAC3搬入情報。明日午前3時搬入との一報あり」。
神奈川県横須賀市、航空自衛隊・武山基地にミサイル防衛システム「PAC3」が搬入される。入間・習志野の両基地につづく第3弾だ。
PAC3は莫大な防衛予算がつぎ込まれるが、基地や一部政府機能を守るだけだ。集団的自衛権に抵触し周辺諸国に脅威と受け止められる懸念もある。
抗議の意思表示をすべく、翌30日午前1時半、エコアクションのメンバーと共に車で武山基地正門を目指す。すでに基地フェンス沿いを走る道路の両側は警察車両やフル装備の機動隊で埋め尽くされている。正門付近には、右翼団体らしき集団が「日の丸」20本ほどを林立。
・秘密裏の移動展開訓練に抗議
1都4県連帯し防衛省へデモ
グリーンアクションさいたま(ピースアクションチーム) 星野歩
パトリオットミサイル3(PAC3)は、昨年3月に航空自衛隊入間基地に配備されて以降、11月に習志野、今年1月30日に武山(横須賀)へと住民の反対を押し切って次々と配備された。1月14日深夜から15日にかけては新宿御苑での展開訓練もおこなわれた。「防衛」とは裏腹の住民を危険に巻き込む体制作りが加速している。
こうしたミサイル防衛構想に対して1都4県(埼玉・千葉・神奈川・茨城)の市民団体が2月3日、市ヶ谷の外堀公園に結集し総勢60名で防衛省に向けてデモと申入れを行った。
主催は「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会」「平和の声・行動ネットワーク(入間)」「ヨコスカ平和船団」「非核市民宣言運動・ヨコスカ」。
・東京中心の国づくりは行き詰まった
地方・農業に新しい可能性を感じる若者たち
編集部 温井立央
知り合いから送られてきたメールの表題は「若手社会企業家と行く!冬の農村体験バスツアー」。地域振興と新しい農業のあり方に触れてもらうことが目的のようだ。2泊3日のバスツアーの行き先は富山。私の郷里なので興味が湧き、申し込んでみた。
メーリングリストで参加者の自己紹介を見ると、20代の若い人が多い。学生もいるがNPOで働いている人もいる。参加者は当初予定していた20名を大幅に超えて約40名の参加になった。どんなツアーになるのかと思いつつ出発日となった。
Interview(6〜7面)
・人権抑圧のビルマ政府にさらなる国際的な圧力を
民主化を実現し再び祖国の地を踏みしめたい
ポーン・ミン・トゥンさん
昨年ビルマでは軍事独裁政権に抗議する反政府デモが巻き起こり、国際的批判にさらされた。その結果軍事政権は、今年5月に国民投票を実施して新憲法を制定、2010年に選挙を実施し軍政から民生移管すると発表した。過酷な弾圧から命からがら逃れ、日本で民主化運動を担う全ビルマ学生連盟日本支部長ポーン・ミン・トゥンさんに聞いた。
International (8面)
・混乱のケニアを訪れて
不正選挙への怒りは部族間対立に変わった
高田義之(シビックアクション千葉)
ケニアでは昨年12月27日行われた大統領選挙の結果をめぐり、暴動・略奪・部族対立などが続いている。混乱の只中にケニアを訪れた高田義之さんにレポートをお願いした。
Review (9面)
・映評『サラエボの花』(ヤスミラ・ジュバニッチ監督作品)
二度と戦争犯罪を繰り返さないためのメッセージ
あきらめずに声を上げ続けなければ世界は変わらない
1992年3月ボスニア・ヘルツェゴビナでは、旧ユーゴスラヴィアからの独立の是非を問う住民投票が実施された。これをきっかけにこの地域の支配権を巡って、セルビア人とクロアチア人の間に内戦が勃発。死者約20万人、難民・避難民200万人をもたらす惨劇となった。
激しい内戦過程では「民族浄化」の名の下に女性への過酷な性暴力が吹き荒れ、戦後も多くの人々の心に深い傷跡を残した。ボスニア映画『サラエボの花』(2006年ヤスミラ・ジュバニッチ監督)は、この傷から立ち直ろうともがく母子を描く作品だ。
Close Up (10〜11面)
・今年も黄砂の季節がやってくる
日中は協力して対策に乗り出すべきだ
鈴木邦蔵(20代 団体職員)
毎年、春頃になると空から降ってくる黄砂。ルーツはタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原など大陸の乾燥地帯の砂だ。これが風で舞い、偏西風にのって3000〜4000㎞飛ばされ、3〜4日かけてはるばる日本にやってくる。
最近日本で観測される黄砂の観測回数は増加しており、これまでほとんど観測されなかった北海道にも及んでいる。2006年は東京都心で6年ぶり、千葉市では18年ぶりに黄砂が確認され、全国的にも気象庁が1967年に観測を開始して以来最大量となった。
私の住む名古屋でも4月下旬から連日のように降り、晴天にもかかわらず空は茶色く霞んだ。車を洗車したら直後に黄砂を含む雨が降り、あっという間に洗車前より汚くなったことを覚えている。
・学童保育は社会性を身につける格好の遊び場
親も子どももほっとできる地域のオアシスにしたい
管野いちこ(30代 学童保育指導員)
「ただいまー!」とランドセルを背負って戻ってくる子どもたち。「おかえりなさい、今日は学校どうだった?」「宿題ある?」「きちんとロッカーにかばんしまうのよ」と応えながら、私は数十人の子どもたちの顔色や様子を瞬時にチェック。
私の仕事は学童保育の指導員。留守家庭の小学生たち、いわゆる「カギっ子」たちを預かる学童保育は、子どもたちにとって放課後の安全な遊び場であり、同時に親が帰宅するまでの生活の場、地域のなかの居場所でもある。
だから私たち指導員は、できるだけ家庭的な雰囲気のなかで子どもたちが過ごせるように心がけている。
