「ミャンマー(ビルマ)情勢緊急集会 これまで何が起きてきたのか」
軍事政権の残虐性が明白となった
日本人ジャーナリスト・長井健司さんが9月27日、ビルマの反政府デモの取材中に治安部隊によって射殺された。10月3日、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会は長井さんの死に抗議し、現地で何が起きているのかを伝える緊急集会を明治大学リバティタワーで開催した。集会には大勢の人が駆けつけた。
集会の冒頭、長井さんのこれまでの足跡が紹介され、長井さんが撮影したビデオ映像が上映された。
続いて在日ビルマ人のポーンミントゥンさんが、軍事政権の拷問の実態を報告。ポーンミントゥンさんは88年の民主化闘争に学生運動家として参加。その後アウンサン・スーチーさんのボディガードを務め、秘密警察に逮捕され91年から95年まで投獄された。水も食べ物も与えられず、棒で殴られ、昼夜を分かたず拷問を受けたことを生々しく語った。
上智大学の根本敬教授は今回のデモについて、「人々の苦しみを知り、命以外に失うものがない僧侶が立ち上がった。人々は感謝し、僧侶を守るために行動を起こした。19年に及ぶ軍政への怒り・不満が爆発した」「国際社会が経済制裁を伴う強いメッセージを軍事政権に送る必要がある。弾圧を受け、絶望している市民を勇気づける意味がある」と訴えた。
フォトジャーナリストの山本宗輔さんは、「長井さんの射殺映像は軍事政権の本質・残虐性を表している」と語り、政府が行ってきた少数民族への弾圧を紹介。14万人のカレン民族が隣国のタイへ難民として逃れ、10万人が国内難民となっている状況をスライドで映す。「日本政府は民主化を支援するどころか、足を引っ張ってきた」と批判。日本政府の責任を追及しないマスコミにも問題があると訴えた。
吉田敏浩さんは1977年にビルマ・シャン州の解放自治区を訪れて以来、アジアの少数民族問題を取り上げてきた。ビルマ軍が少数民族を強制移住させている事態について、かつて日本軍が中国で行った作戦と重ね合わせて批判した。
最後にポーンミントゥンさんが「民主化のために応援して欲しい」と参加者に呼びかけ、司会の山本さんは「フリージャーナリストは市民の知る権利に応えるために取材していく」と訴えて集会を終えた。
