市民参加で安全性を検証すべき

 9月2日、横須賀市総合福祉会館で、「原子力空母の安全性を問うシンポジウム」が開催された。主催は原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会。会場を埋め尽くす250名が参加した。

 冒頭、三浦半島活断層調査会顧問・蟹江康光さんのビデオ報告「横須賀市の活断層の実態、直下型地震の危険性」が上映される。「三浦半島北部活断層を震源域とする地震」は、30年以内の発生率が6〜11%と高く、横須賀市ホームページでも横須賀市内全域が震度7に直撃される想定だ。この地での原子力空母母港化は非常に危険だ。

 続いて、主催者共同代表で弁護士の呉東正彦さんがコーディネーターをつとめ、シンポジウムにうつる。神奈川県保険医協会公害環境対策部長で医師の野本哲夫さんは、原子力空母を停泊させるための米軍横須賀港内の12号バースの改修工事によっておびただしい数の奇形魚が発生している実態を報告。

 3年前まで原発機器設計技術者として原発に関わってきた岡本旦夫さんは、「米政府が公表しているファクトシートでは空母の原子炉は商業用原子炉より10倍安全とされている。しかしそうとは言えない」と訴える。 日本大学歯学部講師で放射能防護学者である野口邦和さんは、「原子炉の出力や構造すら公表されない中では安全性を検証しようがない。米軍が事故情報を日本側に迅速に通報するのかも問題だ」と指摘する。

 ピースデポ代表理事梅林宏道さんは、「アメリカ本国ですら原子力空母母港化を丸6年かけて協議・検証した」と発言。米国の情報を鵜呑みにして配備受け入れを即決した日本政府と横須賀市の姿勢を批判した。

 パネリストの発言後、横須賀市主催の「原子力空母の安全対策に対する市民説明会」に住民の一人として参加した新倉裕史さんが発言。「まず行われるべき説明会は、日本政府や米海軍に出席を求め、安全性の根拠を横須賀市と市民が一緒に聞くものであるはずだ」と指摘した。

 会場からの活発な意見交換の後、今後も引き続き浚渫(しゅんせつ)差し止め裁判に取り組んでいくことを確認して閉会となった。

原子力空母の安全性を問うシンポジウム