ゴミ処理施設が建つ前は豊かな里山だった

 8月26日、埼玉県大里郡寄居町にある「彩の国資源循環工場」周辺の自然探索会が行われた。呼びかけたのは、地元の住民運動グループ「彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば」。

 参加者は子供連れの家族も含めて20人。子供達は虫とりあみを片手にトンボやチョウチョを追い、夏休み最後の日曜日を楽しんだ。

 案内役の船橋玲二さんは埼玉県生態系保護協会のスタッフで県内各地のフィールドを回っている。資源循環工場周辺の地域は「山の生き物と平野の生き物が混在し、かつ豊富な清流に恵まれているために沢山の種類の動植物たちが生息している」と説明。

 今回の探索フィールドは数年前に放棄された谷津田の周辺だ。ガマが生い茂る田んぼ跡と斜面の境目を小さな沢が流れている。流量は少ないものの、水はきれいだ。

 川筋を美しいオニヤンマがゆうゆうと飛んでいく。トンボの種類は多く、シオカラトンボやアカトンボも見られた。最近減少しているオオシオカラトンボの姿も見られた。

 沢にはサワガニやドジョウ。レッドデータブックに記載のあるホトケドジョウもいた。ホトケドジョウは小さな体に大きな頭部で、仏様のようなかわいらしい顔をしている。水がきれいな場所にしか生息しない生物だ。

 水辺に生えていた柳の木の幹には無数の穴が開いている。カミキリムシが卵を産むために開けた穴で、成長した後は他の虫たちの巣になる。幹をゆすると、ミヤマクワガタやコクワガタが顔をのぞかせる。子供達は大喜びだ。

 豊かな自然に恵まれた地域だが、ゴルフ場や資源循環工場、最終処分場の建設のために山が削られ沢筋が埋められている。資源循環工場では第2期工事計画が準備されている。工事が行われればさらに山が削られることになる。

 ゴミ処理施設は必要だが、それによって豊かな自然が失われてはならない。

自然探索会