Actio 1249号(2007年8月10日発行)
CONTENTS
Topics
・安倍首相続投で自民党は溶融する
解散・総選挙で国民が政権選択を(1面)
7月29日に行われた参議院選挙において、安倍自民党は歴史的大敗を喫した。
自民党は改選前64議席を37議席に減らし、連立を組む公明党も選挙区で擁立した5人中3人が落選する惨敗となった。まさに国民は、安倍自公政権に対して明確な不信任を突きつけたのである。
投票日に朝日新聞社が実施した出口調査では、56%が安倍首相に「代わってほしい」と回答している。ところが、こうした国民の意志を無視黙殺し、安倍首相は早々と続投を宣言した。
「反省すべき点は反省していかないといけないが、私の国造りはまだスタートしたばかりだ。改革を進め新しい国をつくっていくために、これからも総理として責任を果たしていかなければいけない」
自民党惨敗を伝える投票日夜の報道番組で、安倍首相は「私の国造り」を続けると公言した。結果責任が問われる政治家としての資質も、一国のリーダーになる能力も見識も持ち合わせていないのだ。こんなミーイズム丸出しのリーダーに導かれた国は滅びる。
Activity
新潟県中越沖地震ボランティア活動報告
3年間に2度も震災に襲われた刈羽村(2-3面)
7月16日午前10時15分、マグニチュード6・8の巨大地震が新潟県中越地方を襲った。この地震により東京電力柏崎刈羽原発3号機から火災が発生、さらに大気中や海へ放射性物質が漏れ出たことも判明した。
被災地住民は地震の恐怖だけでなく、放射能汚染の不安を抱えている。少しでも被災地住民の力になろうと、埼玉県ふじみの市市議会議員のおがわ愛子さんの呼びかけで7月25日、26日の両日、震災ボランティアが取り組まれた。
急遽ボランティアを受け入れてくれたのは、刈羽村村会議員近藤容人さんだ。近藤さんを紹介してくれたのは、「東海村菜の花エコプラン」(本誌1247号掲載)代表の相沢一正さん。緊急時に脱原発ネットワークが活かされた。
近藤さんは、2001年に刈羽村で行われたプルサーマル計画の是非を問う住民投票運動の中心を担った。住民投票に勝利し、現在も地元で粘り強い脱原発運動を続けている。
・ <被災住民に喜んでもらえて本当に良かった>
埼玉県ふじみ野市市会議員 小川愛子
私たちがボランティアに訪れた刈羽村は、柏崎市に隣接する人口約5千人余りの小さな村だ。海側のほとんどを原発サイトが占めている。
今回ボランティア受入れをお願いした村議の近藤容人さんのお宅も被災し、「危険」を示す赤色の紙が貼ってあった。余震が続く中、「夜はとても恐ろしくてこの家で寝る事は出来ません」と語る近藤さん。毎晩避難所で寝泊りしているそうだ。
それでも近藤さんは、防災ヘルメットを被って毎朝4時ごろから村内をパトロールしている。その後災害対策本部の会議に出席し、議員間で情報交換する。さらに自宅の片付けもそこそこに、「ばあちゃん、大丈夫か?」と一日中村内を軽自動車で走り回る多忙な日々を送っていた。
刈羽村でも高齢化が進み、今回の地震で亡くなった方のほとんどは高齢者だった。家が壊れて途方に暮れているお年寄りもたくさんいる。お年寄りに力仕事など出来るわけもないから、ボランティアが切実に求められているのだ。
Opinion
・ガタガタになった柏崎刈羽原発は廃炉しかない
地震大国の原発はロシアン・ルーレットと同じ
山風 征路 (4面)
7月16日午前10時13分、新潟県中越沖地震が発生した。
マグニチュード6・8の巨大地震を生み出した活断層は、東京電力柏崎刈羽原発の直近を走っていた。そのため原発は、設計時の耐震基準を最大6・8倍も上回る揺れに襲われた。
幸いなことに7機の原発の内3機は定期点検で停止中だった。稼働中の4機の原発はなんとか緊急停止し、最悪の事態は免れた。しかし変圧器では火災が発生し、大気中や海に放射能が漏れ出した。
東電は未だ原子炉圧力容器など核心部分の被害状況を明らかにしていないが、一歩間違えばチェルノブイリ原発事故と同様の深刻な原発震災だったのだ。設計時の想定を上回る地震の直撃を受けてガタガタになった柏崎刈羽原発は、二度と運転すべきではない。
Reports
・柏崎刈羽原発を廃炉へ! 東京電力・保安院へ抗議
・東海地震の前に浜岡原発の停止を 中部電力本社にたいし緊急抗議行動
・間伐ボランティアで汗を流す 檜原村で里山づくり 他
Project
・環境と人権をテーマに8月11・12日は高尾山に集まろう
・新潟 Aid エコラボ収益金は被災地へ
エコラボキャンプ会場マップ(6-7面)
Interview
・グローバリゼーションのなかで新しいアイデンティティを探ろう
国家主義にからめとられないネットワークを模索したい(8-9面) 鈴木謙介
グローバリゼーションの進展は世界中で様々な矛盾を生み出し、同時にこれに反発して宗教的な原理主義が噴出している。グローバリゼーションは世界に何をもたらし、その先にいったい何が待っているのだろうか。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)研究員の鈴木謙介さんに聞いた。
Review
・映評『プージェー』(山田和也監督作品)
変わりゆくモンゴルの草原を駆け抜けた少女の物語り
村上弘(10面)
1999年探検家の関野吉晴は、南米最南端から人類誕生の地アフリカを目指して自転車をこいでいた。
そのグレート・ジャーニーの途中に訪れたモンゴルで、関野は一人の少女と出会う。見渡すばかりの草原を馬にまたがって駆け抜け、家畜を追う当時6歳の少女の名はプージェー。モンゴル語で「木曜日に生まれた幸せな子」を意味する。
・書評『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』(松永和紀著 光文社新書)
中村正明(10面)
TV番組「発掘! あるある大事典Ⅱ」で放映された「納豆ダイエット」。放送直後にスーパーの陳列棚から納豆が消えたほどの大きな反響を呼んだが、実はその内容は捏造されていた。
本書はテレビに限らず新聞、週刊誌を含めたマスメディアが流す科学情報には多くの誤りがあると指摘している。同時にこの問題はメディアのみの責任ではなく、センセーショナルな情報を望む読者や視聴者との「共犯関係」の結果であるとも批判している。
Close Up
・関西の職場を襲った新潟県中越沖地震
トヨタ「かんばん方式」のもろさが露呈した
三根 巽(30代 工場労働者) (11面)
新潟県中越沖地震が発生した3日後の7月19日、関西にある私の職場にも影響が現れた。
私が務める会社は、自動車部品の下請けメーカーだ。地震の影響で各自動車メーカーは部品調達ができなくなり、工場を停止した。再開までの期間、各メーカー合わせて12万台もの生産減少となり、私の会社もその余波を受けたのだ。
