1244号(2007年5月25日発行)

CONTENTS
Topics
・沖縄・辺野古への掃海艇派遣は法治国家の根幹を揺るがす(1面)
5月11日那覇防衛施設局は沖縄県に対し、名護市キャンプ・シュワブ沖海域の「使用着手」を届け出た。 沖縄県がこれを受理したことにより、米軍普天間飛行場の代替施設建設に向けた事前調査が始まる。絶滅危惧種のジュゴンが生息する美しい辺野古の海に、新たな海兵隊基地が建設されようとしている。 同じ日の午前、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」は、神奈川県横須賀基地を出港した。大砲と機関銃を装備した軍艦には、ゴムボートやボンベも積載された。 日本テレビは9日放送のNEWS24で、「普天間移設 環境調査に海上自衛隊を動員へ」と報道していた。「日米同盟重視の観点から、移設計画の遅れは許されないとして、地元反対派の抗議行動を阻止するため、民間人ではなく、自衛隊員の動員を決めた」とするショッキングな内容だ。 当初は誤報かと思われたが、実際に「ぶんご」は沖縄へ向かった。基地建設を阻止するために辺野古で座り込みを続けてきた住民からは、「自衛隊と闘わなければいけないのか」と悲痛な声が上がっている。
Activity
「この木がモミで樹齢70年。むこうに見えるのがイヌシデ。近くにあるのがミツバモミジ。あの大きな木がケヤキです」 虔十の会の坂田昌子さんに案内されたのは、新宿から電車とバスで約1時間半のところにある高尾山。新緑の木漏れ日がなんとも気持ちいい。 大都市近郊でこんなに自然が豊かな場所は世界的にも珍しいとのこと。最近フランスの権威あるガイドブック・ミシュランが発表した日本語版旅行ガイドでは、京都・富士山・厳島神社などと並び「三ツ星」に指定された。 坂田さんは、高尾山を貫く圏央道建設に反対している。道路建設反対の署名などを行ってきたが、高尾山の自然をより知ってもらおうと自然ガイドも行うようになった。 2005年には、裏高尾地域にツリーハウスを建設した。圏央道に反対する地主の土地を借り、ジャパン・ツリーハウス・ネットワークの協力を得て、のべ百数十名の若者がワークショップに参加して建設した。
・環境先進国をリードする一般ドイツ自転車クラブ 自転車は人にも環境にも優しい乗り物(3面)
「社団法人・一般ドイツ自転車クラブ」(Allgemeiner Deutscher Fahrrad-Club e. V. 略称ADFC)は10万人の会員を擁し、自転車利用促進のために幅広い活動を行っている。ADFCの活動について、現地で取材した清水真哉さん(クルマ社会を問い直す会)に語ってもらった。
Reports
・オープン・マインドなNGOへさらに飛躍しよう ブント総会を開催し新代表を選出(4面)
・劣化ウランの健康被害を無視する日本政府 ICBUWの呼びかけで政府交渉 他(5面)
Interview
・ 市民参加の政策提言で「持続可能な交通政策」を 行政と対決するだけでは次世代への責任を果たせない(6-7面)
地球温暖化が深刻化し、オイル・ピークを迎えるなか、自動車に依存してきたこれまでの交通政策の見直しが迫られている。上智大学大学院地球環境学研究科教授の柳下正治さんに聞いた。
International
・転換を迫られるフランス社会党 「第三の道」に踏み出せるのか(8面)
5月6日フランス大統領選の決選投票が行われ、国民運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ氏(52)が53・06%得票して新大統領に選出された。 社会党から出馬したセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(53)は、46・94%の得票にとどまった。社会主義的な高福祉政策が行き詰まるなか、フランス国民は市場経済に重点をおいた自由競争社会を選択したのだ。 サルコジ路線は小泉構造改革と同様、弱者切り捨て、格差拡大などの新たな矛盾をフランス社会にもたらすだろう。これに対抗するフランスの左派勢力は、従来の福祉国家路線の見直しを迫られている。
Review
・映評『バベル』(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品) 9・11後の世界で不安と孤独を抱えた人々
・書評『プリンシプルのない日本』(白洲次郎 新潮文庫) GHQ占領下「従順ならざる唯一の日本人」だった男
Close Up
・5月31日は世界禁煙デー 社長が禁煙し職場から灰皿が無くなった タバコは「百害あって一利なし」
森澤清
・世界では鉛フリー化が進んでいる 製造者責任を曖昧にする日本
戸坂零一
